化粧品の成分表を見ると、「セラミドNP」「セラミドAP」と書かれているものもあれば、「セラミド3」と書かれているものもあって、どれを選べばいいのか迷うのではないでしょうか。
セラミドは、皮膚のいちばん外側にある角層で、細胞のあいだを埋めている脂質のひとつです。そして成分表の呼び名が違うのは効き目の差ではなく、表示名称のルールが切り替わったことによるものです。「セラミド3」は旧称で、いまは「セラミドNP」が対応する表示名称にあたります。
もうひとつ知っておきたいのが、化粧品の広告に書ける効能は法律で決まった範囲に限られている点です。この記事では、表示名称の読み方、書ける効能の範囲、美容医療での使われ方までを、公的な資料をもとに整理します。
化粧品の成分表に並ぶ名前は、厚生労働省の通知によって書き方が定められています。通知では、成分の名前は日本語で書き、日本化粧品工業連合会が作成する「化粧品の成分表示名称リスト」等を利用することにより、消費者における混乱を防ぐよう留意することとされています。日本化粧品工業連合会は、現在の日本化粧品工業会にあたります。市販品の成分表に並ぶ名前は、多くがこのリストの名称です。
代表的なセラミドと、かつて使われていた名称の対応は次のとおりです。
| 現在の表示名称 | かつての名称 | 掲載されたリスト |
|---|---|---|
| セラミドNP | セラミド3 | 化粧品の成分表示名称リストNo.25(2011年10月31日発行) |
| セラミドAP | セラミド6 II | 化粧品の成分表示名称リストNo.24(2010年12月24日発行) |
セラミドの数字による名称は、米国の業界団体である米国パーソナルケア製品協議会が2014年5月に廃止したもので、その代わりに設定されたのがアルファベット表記です。化粧品原料のデータベース Cosmetic-Info.jp(有限会社久光工房が運営)にも、セラミドNPは廃止された「Ceramide 3」に該当すると記載されています。
つまり成分表の「セラミド3」と「セラミドNP」は、別のものが2種類あるのではなく、同じものの新旧の呼び名です。切り替えの時期が製品によって違うため、いまも両方の表記が店頭に並んでいます。
セラミドを紹介する記事では、天然・ヒト型・植物性・擬似(合成)といった由来別の分類がよく使われます。ただしこの分け方は業界で用いられている整理であり、法令や公的機関が定めた区分ではありません。記事によって3つに分けていたり4つに分けていたりするのはこのためです。
化粧品の成分表で確認できるのは、あくまで登録された表示名称です。由来を知りたい場合は、メーカーの製品情報を確認することになります。
前述の Cosmetic-Info.jp には、「化粧品の成分表示名称リスト」に載っていることと、その成分を化粧品に配合してよいかどうかは関係がなく、リストを発行する日本化粧品工業会も、掲載と国内外の規制との関係には関与しないとしている旨が記載されています。
リストに名前があることは、その成分が表示できる名前として登録されているという意味であって、効果や安全性を保証するものではありません。
セラミドは、皮膚のいちばん外側にある角層(かくそう)にある脂質のひとつです。角層では、はがれ落ちる直前の細胞が並んでおり、そのすき間を脂質が埋めています。セラミドは、その主な成分にあたります。
化粧品原料としての位置づけを見ると、Cosmetic-Info.jp では、セラミドNPの配合目的が「ヘアコンディショニング剤、皮膚コンディショニング剤」として記載されています。肌や髪の状態を整える目的の成分、という扱いです。
加齢や乾燥によって角層の状態が変わることは知られていますが、化粧品で補ったときにどこまでの変化が起こるかは、製品や使い方によって異なります。
化粧品の広告を読むときの判断材料になるのが、効能の範囲です。化粧品が広告で表示できる効能は、厚生労働省の通知によって56項目に限定されています(薬食発0721第1号、平成23年7月21日)。セラミド配合の化粧品でよく見かける表現のうち、この範囲に含まれるものを抜き出すと次のとおりです(かっこ内は通知での番号)。
通知には、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」でもよいこと、「皮膚」と「肌」は使い分けてよいことも注記されています。
セラミドの解説では「バリア機能を高める」「バリアを立て直す」といった表現がよく使われます。ただし56項目のなかに、これに相当する項目はありません。
これは、そうした働きが否定されているという意味ではありません。化粧品の広告として表示できる効能の範囲に含まれていない、ということです。研究の文脈で語られる内容と、製品の広告に書ける表現は別の枠組みで決まっています。
この56項目は化粧品の効能の範囲です。薬用化粧品(医薬部外品)は、認められている効能の範囲が別に定められています。通知でも、上の扱いを守れば、そこで追加された効能表現を使ってよいとされています。
また同じ通知には、これらの効能以外の、メイクによる見た目の効果や使い心地などを表示・広告することは、事実に反しない限り認められるとも書かれています。56項目が広告表現のすべてを覆っているわけではありません。
(56)「乾燥による小ジワを目立たなくする」を表示するには、日本香粧品学会の抗シワ製品評価ガイドラインに基づく試験、またはそれと同等以上の適切な試験を行い、効果を確認することが求められています。
さらに、この効能については日本化粧品工業連合会が「化粧品等の適正広告ガイドライン」を改正しており、認められない表現が具体的に示されています。
| 区分 | 表現 |
|---|---|
| 認められる | うるおいにより乾燥による小ジワを目立たなくする表現 |
| 認められない | 小ジワを解消する表現/小ジワを予防する表現/素肌の若返り効果・老化防止効果 |
同ガイドラインには、加齢によるシワを含めたすべてのシワに効果があるものと誤認される表現をしてはならないとも明記されています。「小ジワが消える」「若返る」といった表現を見かけたときは、この線引きを思い出してください。
セラミドが話題になりやすいのは、乾燥や肌荒れが気になる場面です。ここからは悩みの特徴ごとに、候補になる方法と確認しておきたい点を整理します。
| 悩みの特徴 | 候補 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 乾燥してつっぱる | セラミド配合の化粧品 | 角層の脂質を補う位置づけ | 表示は56項目の範囲内 |
| 化粧品だけでは物足りない | 導入とあわせた施術 | 塗布で届きにくい層に用いる | セット構成で内容が変わる |
| ゆらぎやすく刺激に弱い | 低刺激設計の製品 | 併用成分の刺激を避けやすい | 合わない場合は種類を見直す |
| 乾燥による小ジワが気になる | (56)の表示がある製品 | 効能評価試験が前提の表示 | 加齢によるシワは対象外 |
ここに挙げたのはあくまで候補の整理であり、最終的にどの方法が適しているかは、肌の状態を診てもらったうえで判断する必要があります。
セラミドを配合した化粧水・乳液・クリームが候補になります。前述のとおり、製品に書ける効能は「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」といった範囲です。書かれている表現がこの範囲を超えている場合は、その根拠を確認したほうがよいでしょう。
クリニックでは、製剤を皮膚の外から届ける方法として、イオン導入やエレクトロポレーションといった施術が提案されることがあります。セラミドがその選択肢に含まれているメニューもあります。詳しくは次のセクションで整理します。
セラミドそのものより、一緒に配合されている成分が刺激になっている場合があります。合わないと感じたときは、同じセラミド配合でも製品のタイプを変えてみる、というのが皮膚科の解説でよく示される考え方です。判断がつかないときは医師に相談してください。
(56)の表示がある製品は、所定の試験を経ています。ただし対象は乾燥による小ジワであり、加齢によるシワ全般ではありません。表示の範囲を確認したうえで選んでください。
キレイパスに2026年8月28日時点で掲載されているメニューを見ると、セラミドは単体ではなく、ほかの施術とセットになった形で提供されています。
| 提供のされ方 | 内容 |
|---|---|
| ピーリングとのセット | ケミカルピーリングやマッサージピールとセットで、セラミドのパックが含まれる |
| 導入で選べる製剤 | イオン導入・エレクトロポレーションで選べる製剤の1つとして含まれる |
| 光治療・レーザーとのセット | 照射を含むメニューに、セラミドのパックが組み合わされる |
掲載メニューはいずれもこの形で、セラミド単体で完結する構成にはなっていません。セラミドを目的にクリニックを探す場合は、どの施術と組み合わせたメニューなのかを見ることになります。
イオン導入とエレクトロポレーションは、どちらも電気の力で薬剤を肌に届ける方法で、使う機器と仕組みが違います。どちらを使うかはクリニックによって変わります。
どの薬剤をどのくらい使うか、何回行うかもクリニックによって異なります。期待できる変化には個人差があるため、診察で見通しを確認してください。
なお、クリニックで使われる製品が化粧品・医薬部外品・医薬品のどれにあたるかは製品によって異なります。気になる場合は施術前に確認してください。
キレイパスでセラミドを含むメニューを購入した方の年代別構成比です。
20代以下が7割近くを占めています。前述のとおりセラミドはほかの施術とセットで提供されているため、この構成比はセットメニュー全体を選んだ方の内訳にあたります。
| 年代 | 口コミ平均点(5点満点) |
|---|---|
| 20代以下 | 4.7 |
| 30代 | 4.6 |
| 40代以上 | 4.6 |
施術後に投稿された口コミの平均点を年代別に見ると、いずれの年代も4.6以上で、年代によって評価が大きく変わる傾向は見られませんでした。どの世代でも一定の評価を得ていると読み取れます。
※キレイパス掲載チケットの購入・口コミデータをもとに集計(自社データ)。評価はクリニックでの体験に対するもので、施術の効果を保証するものではありません。
本データは利用実態の参考情報であり、購入を推奨する趣旨のものではありません。
キレイパスで販売中のセラミドを含むメニューの表示価格(税込)を集計しました。多くが5,500円から45,100円の範囲に収まります(2026年8月28日時点・下位10%〜上位10%の範囲)。
幅が大きいのは、セラミドが単体ではなくセットの一部として提供されているためです。何と組み合わせるかで、価格の水準がそのまま変わります。
料金に含まれる範囲はチケットごとに異なります。初診料・再診料が別途かかる場合があります。購入前に、セラミドがメニューのどの工程で使われるのかと、チケット代以外にかかる費用を確認しておくと比較しやすくなります。
セラミドを含むチケットは、料金・組み合わせる施術・部位・別途費用の有無を並べて比較できます。
セラミド配合の化粧品は、一般に刺激が強い成分として扱われているわけではありません。ただし製品には複数の成分が配合されており、合わないと感じる原因がセラミド以外にあることもあります。
赤みやかゆみなど気になる変化が出たときは、使用を中止して皮膚科に相談してください。自己判断で使い続けないことが大切です。
医療機関では、乾燥や皮膚の症状に対して保湿剤が処方されることがあります。これらは医薬品または医薬部外品として扱われるもので、化粧品のセラミド配合製品とは制度上の位置づけが異なります。症状がある場合は、化粧品で対応しようとする前に診察を受けてください。
セラミドという成分そのものについて、一律の受けられない条件が公的資料に示されているわけではありません。ただしクリニックのメニューはピーリングや照射とセットになっているため、それらの施術側に受けられない条件があります。
持病や服用中の薬がある場合、妊娠中・授乳中の場合は、診察時に必ず申し出てください。受けられるかどうかはクリニックの方針と施術内容によって変わります。
導入やピーリングとセットのメニューでは、セラミド以外の工程に注意点があることが多くなります。ピーリングの薬剤、照射の条件、施術後のケアについて、施術前に説明を受けておいてください。
成分表の表記と広告の表現には、それぞれ決まったルールがあります。表示の意味が分かると、製品もメニューも比べやすくなります。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の製品や施術を推奨するものではありません。効果や使用感には個人差があります。化粧品の効能の範囲は厚生労働省の通知に基づくもので、個別の製品の表示可否を判断するものではありません。乾燥や皮膚の症状がある場合は医療機関にご相談ください。利用データは2026年8月28日時点の集計であり、今後変動する可能性があります。
編集:キレイパス編集部
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