顔の赤みをクリニックで相談したときに、名前が挙がることが多いのがVビームではないでしょうか。ただ調べていくと、保険が使えると書かれたページと自費と書かれたページの両方が出てきて、どちらが本当なのか分からなくなります。
Vビームで保険が使えるかどうかは、機器や照射の内容ではなく診断名で決まります。国内で承認されているVビームの使用目的は、皮膚の血管の病変を治療することです。赤ら顔の見た目やニキビ跡の赤みを整える目的で受ける場合は自由診療になります。
この記事では、その線引きを起点に整理します。候補になりやすい悩み・料金・ダウンタイム・受けられないケースまで、一次資料と自社データで確認していきます。
Vビームという機器そのものについて、保険が使えるかどうかが決まっているわけではありません。同じ機器で同じ部位に照射しても、何の治療として行うかによって扱いが変わります。
| 目的・診断 | 扱い |
|---|---|
| 単純性血管腫(赤あざ) | 保険診療の対象になる |
| 苺状血管腫(乳児血管腫) | 保険診療の対象になる |
| 毛細血管拡張症 | 保険診療の対象になる |
| 酒さのうち毛細血管拡張以外の症状 | 自由診療 |
| 赤ら顔の見た目を整える | 自由診療 |
| ニキビ跡の赤み・肌質改善 | 自由診療 |
診療報酬上、色素レーザー照射療法の対象として定められているのは、単純性血管腫・苺状血管腫・毛細血管拡張症の3つです。あわせて、皮膚レーザー照射療法は単なる美容を目的とした場合には算定できないことも定められています。日本皮膚科学会の『尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023』にも同じ趣旨の記載があります。毛細血管拡張症以外の酒皶の症状には、パルス色素レーザーの保険適用がない点に留意が必要、とされています。
そしてこの線引きは、機器の承認内容とも一致しています。医療機器には、国が承認した使用目的や、使ってはいけない条件を記した公式の文書があります。添付文書と呼ばれるものです。Vビームの添付文書に書かれた使用目的又は効果は「皮膚良性血管病変(単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症)の治療」です。ニキビ跡の赤みや肌質改善は、この使用目的の範囲には含まれていません。これらを目的に照射する場合は、承認された使用目的以外の使用として、自由診療で行われることになります。
つまり「Vビームは保険が使える」という説明も「Vビームは自費」という説明も、どちらも誤りではありません。自分がどちらに当てはまるかは、診察を受けて診断名がついてはじめて確定します。なお、キレイパスに掲載されているVビームのチケットは、すべて自由診療のものです。
Vビームは、米国のキャンデラ社が開発した色素レーザーの装置です。国内では高度管理医療機器(クラスⅢ)として承認されています。添付文書に記載された一般的名称は「色素レーザ」で、販売名は「皮膚良性血管病変治療用レーザー装置 VbeamⅡ」のように機種名まで含んだものです。医療機器の中でも管理の厳しい区分にあたり、設置や保守点検の要件も定められています。
作動原理は添付文書に記載されています。ローダミンという色素を用いた595nmのレーザーを照射し、血管を光加熱分解する仕組みです。それによって対象の血管を破壊し、皮膚の色調を改善させます。595nmという波長は、血液に含まれるヘモグロビンに吸収されやすいとされています。この性質を利用して、赤みの原因になっている血管に作用させます。メラニンを標的にするシミ向けのレーザーとは、狙っているものが異なります。
もうひとつの特徴が、DCD(ダイナミッククーリングデバイス)と呼ばれる冷却の仕組みです。レーザーを照射する直前に冷却ガスを吹き付け、皮膚の表面を保護しながら照射する設計になっています。
国内でVビームとして案内される装置には世代があります。現在も添付文書が公開されている機種は、2016年に承認されたVビームⅡと、2020年に国内販売が始まったVビームプリマの2機種です。承認番号はVビームⅡが22800BZX00358000、Vビームプリマが30100BZX00145000です。次の表の数値は各機種の添付文書に記載された値で、最大エネルギー密度は装置の上限値のため、実際に設定できる上限はスポット径によって変わります。
| 項目 | VビームⅡ | Vビームプリマ |
|---|---|---|
| 波長 | 595±5nm | 595nm |
| パルス幅 | 0.45〜40ms | 0.45〜40ms |
| スポット径 | 5・7・10・12mmの4種類 | 3〜15mmを0.5mm刻みで設定 |
| 最大エネルギー密度 | 15J/cm² | 40J/cm² |
照射範囲を細かく設定できる点と、出せるエネルギーの上限が主な違いです。ただし承認された使用目的は2機種とも同じで、禁忌も共通です。どちらの世代であっても、赤みに対する治療という位置づけが変わるわけではありません。クリニックの表記が「Vビーム」とだけある場合は、どの機種かをカウンセリングで確認できます。
Vビームが対象にできるのは、赤みの原因が血管にある状態です。同じように赤く見えていても、原因や診断名によって扱いが変わります。
毛細血管が拡張して見えている状態です。診察で毛細血管拡張症と診断された場合は、色素レーザー照射療法の対象疾患にあたります。見た目が似ていても診断名がつかない場合は自由診療での照射になります。赤みが気になり始めた時期や、化粧で隠しているかどうかは診察時に伝えると判断の材料になります。
酒さ(酒皶)は、顔の赤みが続く慢性の皮膚疾患です。『尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023』は、紅斑毛細血管拡張型酒皶への治療を3つ挙げています。パルス色素レーザー(595nm)、Nd:YAGレーザー(1,064nm、ロングパルス)、IPLです。いずれも選択肢の一つとして推奨する(推奨度C1)と評価されています。同じガイドラインでは、この型の酒さに一様に推奨できる外用薬・内服薬はないとされています。機器による治療の位置づけが相対的に高くなっている領域です。ただし付記もあります。各種機器の特性を十分に理解した上で行うことが望まれること、効果には個人差があり再発の可能性もあることを含めた十分な説明が必要であること、の2点です。
炎症が治まったあとに一時的に残る赤みは、ガイドライン上「炎症後の紅斑」と呼ばれています。ここで押さえておきたいのは、炎症後の紅斑には自然に軽快する経過があるとガイドラインに記載されている点です。同ガイドラインには炎症後の紅斑に対するレーザー治療のクリニカルクエスチョンは設けられておらず、推奨度も示されていません。Vビームをこの目的で使う場合は、承認された使用目的の範囲外にあたる自由診療になります。急いで判断せず、経過を見る選択肢も含めて相談する形が現実的です。
単純性血管腫と苺状血管腫(乳児血管腫)は、色素レーザー照射療法の対象疾患として定められています。この場合は保険診療として皮膚科で相談する流れになります。なお添付文書には、隆起を伴うほど大きくなった単純性血管腫については、切除術も含めて治療方針を検討するよう記載されています。色調が改善しても隆起した部分が残る可能性があるためです。
| 悩みの特徴 | 候補になる施術 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 頬や小鼻に細い血管が透けて見える | Vビーム(色素レーザー) | 毛細血管拡張症は保険適用の対象疾患 | 診断名がつかなければ自由診療 |
| 酒さと診断された赤み | Vビーム/Nd:YAGレーザー/IPL | 3つともガイドライン推奨度C1 | 毛細血管拡張以外は保険適用外 |
| ニキビ跡の赤みが残っている | Vビーム/外用治療/経過観察 | 波長が赤み(血管)に反応するため | 凹凸は対象外。別施術との併用も検討 |
| 生まれつきの赤あざ・乳児期からの血管腫 | Vビーム(保険診療) | 対象疾患として保険適用が定められている | 隆起を伴う場合は切除術も検討 |
表はあくまで候補を整理したものです。同じ見た目でも原因は人によって異なるため、最終的な判断は診察が必要です。
キレイパスでVビームのチケットを購入した方(直近2年)の年代別構成比は、次のとおりです。比較として、赤み改善を目的としたレーザー治療カテゴリ全体の数値も並べています(2026年8月12日時点の集計、データは今後変動する可能性があります)。
20代以下が63.3%を占め、赤み改善レーザー全体の44.2%を19.1ポイント上回っています。20代以下と30代を合わせると約9割で、他の赤み改善施術と比べても若い層に寄った分布です。
| 年代 | 口コミ平均点(5点満点) |
|---|---|
| 20代以下 | 4.4 |
| 30代 | 4.4 |
| 40代 | 4.5 |
| 50代以上 | 4.1 |
施術後に投稿された口コミの平均点を年代別に見ると、いずれの年代も4.1以上で、年代によって評価が大きく変わる傾向は見られませんでした。どの世代でも一定の評価を得ていると読み取れます。
※キレイパス掲載チケットの購入・口コミデータをもとに集計(自社データ)。評価はクリニックでの体験に対するもので、施術の効果を保証するものではありません。本データは利用実態の参考情報であり、購入を推奨する趣旨のものではありません。
キレイパスに掲載されているVビームのチケット(顔向け・税込)は、8,800円から30,800円の範囲にあります。実際に購入されたチケットの価格帯は、上下1割を除くと1万円から1万3千円でした。全顔1回あたり1万円台前半が中心的な価格帯です(いずれも2026年8月12日時点)。
同じVビームでも価格に幅が出るのは、次のような条件が異なるためです。
料金に何が含まれるかはチケットごとに異なります。初診料・再診料、麻酔代、施術後に処方される薬代などが別途かかる場合があるため、購入前に対象範囲と別途費用の有無を確認してください。保険診療として受ける場合は自由診療とは別の料金体系になり、加入している健康保険の負担割合に応じた金額になります。
施術名から選べなくても、気になる悩みから候補を比較できます。キレイパスでは購入前に料金・対象部位・別途費用の有無・口コミを確認できます。
Vビームが候補になりやすい悩みは前の章のとおりです。ここでは受ける前に確認しておきたい条件と、照射後に起こりうる変化を整理します。以下はいずれも、VビームⅡ・Vビームプリマの添付文書に記載された内容です。
次に当てはまる場合は、慎重に適用することとされています。
妊娠中・妊娠の可能性がある方については、妊婦・胎児に対する安全性が確立されていないため慎重に使用することとされています。サプリメントは申告し忘れやすい項目なので、飲んでいるものはカウンセリングで伝えてください。
Vビームで話題になりやすいのが、照射後に出ることがある紫斑です。紫斑が出るかどうかは体質だけで決まるものではなく、照射の設定にも左右されます。添付文書には、より迅速な治療効果を得るには短いパルス幅が有効な場合がある、と記載されています。一方で、紫斑の発現を減少させるには長いパルス幅の使用を検討する、ともされています。パルス幅は照射の時間の長さを指す設定値です。
つまり、紫斑を出しにくい設定を選ぶこともできます。病変に対してより強く働きかける設定を選ぶこともあり、その判断は診察と治療の目的によって変わります。予定がある時期に受けたい場合は、その旨をカウンセリングで伝えて設定を相談してください。照射後の赤みやヒリつきの程度、続く期間には個人差があり、照射部位・出力・肌の状態によっても変わります。
有害事象として挙げられているのは次のものです。
照射の前後は日焼けを避け、日焼け止めなどで十分に遮光することが求められています。施術後に強い痛みや水疱など、説明されていない変化が出た場合は、自己判断せず施術を受けたクリニックに連絡してください。
添付文書では、次の患者・部位には使用しないこととされています。2機種で共通の内容です。
日焼けは当日に判明して照射を見送ることがある項目です。メラニンにレーザーが吸収され、熱傷につながるおそれがあるためです。屋外での予定が続いた後に予約している場合は、事前に相談しておくと安心です。
なお、赤ら顔の見た目やニキビ跡の赤みを目的にVビームを受ける場合は、承認された使用目的の範囲外の使用にあたり、自由診療となります。医療機器による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。同制度の対象は、承認を受けた医薬品および再生医療等製品に限られています。
Vビームは扱うクリニックが多い機器ですが、同じ名前でも機種と設定によって当日の内容は変わります。次の点を確認しておくと比較しやすくなります。
同じ「Vビーム」の表記でも、機種と設定によって当日の内容は変わります。気になるクリニックを複数並べて、確認しておくと比較しやすくなります。
Vビームについて、この記事で整理した要点は次のとおりです。
赤みは原因によって対応が変わる悩みです。まずは診察で診断を受けたうえで、目的に合う方法を選んでください。
効果には個人差があり、必ず効果を保証するものではありません。本記事で紹介した使用目的・禁忌・注意事項は、VビームⅡ(2024年11月改訂・第4版)およびVビームプリマ(2026年5月作成・第2版)の医療機器添付文書に基づくものです。実際に受けられるかどうかは診察で判断されます。赤ら顔の見た目やニキビ跡の赤みを目的とする場合は、承認された使用目的の範囲外の使用にあたり、公的医療保険は適用されません。利用データは2026年8月12日時点の集計であり、今後変動する可能性があります。
編集:キレイパス編集部
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