ニキビ跡の凹みを調べていくと、必ずといっていいほど名前が挙がるのがサブシジョンではないでしょうか。ただ、読み進めるほど「変化があった」という声と「ほとんど変わらなかった」という声の両方が出てきます。料金も数千円から数十万円まで開きがあります。
サブシジョンは、ニキビ跡であれば何にでも使える施術ではありません。凹みの形によって、向いているものとそうでないものが分かれます。そして料金の幅は施術の丁寧さの違いではなく、料金の前提になる「範囲」の数え方がクリニックによって2通りあることから生まれています。
この記事では、キレイパスに掲載されているサブシジョンのチケットを実際に集計しました。凹みの型ごとの向き不向き、料金が分かれる仕組み、ダウンタイムと受けられないケースまで整理します。
ニキビ跡の凹みは、皮膚の表面がすり減ってできているわけではありません。炎症が治まる過程で、皮膚の深い層に線維性の組織ができます。これが皮膚を下側へ引っ張るために、表面がへこんで見える状態になっているとされています。
サブシジョンは、この引っ張っている線維を切り離すことを目的とした手技です。皮膚に針を刺し入れ、凹みの下で針先を動かして線維を切り離します。メスで切り開くわけではありません。1995年にこの手技を報告した Orentreich らは、これを「切開を伴わない皮下手術(subcutaneous incisionless surgery)」と表現しました。Subcision という名称はここから付けられています。
引っ張りがなくなることで凹みが持ち上がるとされています。切り離した部分が治っていく過程で起きる組織の変化も、見え方の改善に関わると説明されています。ただし変化の程度には個人差があり、凹みの深さや範囲によって結果は一様ではありません。
レーザーやダーマペンなど、ニキビ跡に用いられる施術の多くは皮膚の表面から働きかけます。一方でサブシジョンは皮膚の下に針を通す手技で、対象としている層そのものが異なります。どちらが優れているという関係ではなく、凹みができている原因のどこに対応するかが違うということです。この違いが、後で触れる「他の施術と組み合わせて案内されることが多い」理由にもつながっています。
クレーターと呼ばれる凹みは、見た目の形によっていくつかの型に分けて考えられています。2001年に Jacob らが発表した分類では、アイスピック型・ボックスカー型・ローリング型の3つに整理されています。現在も治療方針を検討するときの共通の目安として使われている分類です。サブシジョンが候補になりやすいかどうかは、この型によって変わります。
| 凹みの特徴 | 候補になる方法 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 縁がなだらかで、皮膚全体が波打つように見える(ローリング型) | サブシジョン | 引っ張る線維を切り離す工程に対応 | 引きつれが強いと複数回になることも |
| 縁が垂直に切り立ち、四角く見える(ボックスカー型) | サブシジョンと表面を整える施術の組み合わせ | 癒着を切っても縁の輪郭は残り併用も検討 | 深さで選択肢が変わる。診察での評価が前提 |
| 幅が狭く、深く突き刺したような形(アイスピック型) | TCA CROSS(高濃度の酸を点状に置く方法)・くり抜き切除など | 面積が確保しにくく別の方法を検討 | 多数ある場合は複数の方法の組み合わせ案内も |
| 凹みはなく、赤みや色素沈着だけが残っている | 外用薬・レーザーなど | 引っ張る線維自体が無いため対象外 | まず皮膚科で状態の評価を受けることが先になる |
これらは候補を整理するための目安です。同じ方の顔の中に複数の型が混在していることも多く、実際にどの方法が適しているかは、凹みの深さや皮膚の状態を診たうえでの判断になります。最終的な判断は診察を受けたうえで医師と決めてください。
サブシジョンが対象としている仕組みと最も対応する型です。凹みが頬全体に広がっているか一部にとどまるかで料金の前提が変わるため、範囲がどこまでを指すのかを先に確認してください。美容医療が初めての方は、1回で完了する前提で予算を組まないほうが安全です。
底の癒着を切り離しても、縁の輪郭は残ります。どこまでを1回で行い、表面へのアプローチをいつ加えるのかを診察で確認してください。
この型が中心の場合は、サブシジョン以外の方法が検討されることが一般的です。凹みが細かく点在している場合は、自己判断せず型の見立てから相談してください。
引っ張っている線維がないため、サブシジョンの対象になりません。肌が敏感な方や赤みが出やすい方は、受けられるかどうかを含めて医師に相談してください。
回数は凹みの深さと範囲によって変わります。1回で変化を感じる場合もあれば、複数回を重ねる場合もあり、一律の標準回数が決まっているわけではありません。
ニュージーランド皮膚科学会が運営する DermNet の解説では、中等度の瘢痕であれば3回から6回で対応できる例が多いとされています。間隔は最低1か月あけることが推奨されています。日本のクリニックでも1か月前後の間隔を案内するところが見られますが、必要な回数や次に受ける時期は診察で決まります。
複数回になりやすい理由のひとつとして、切り離した部分が再び癒着する可能性が指摘されています。これを踏まえて、切り離した空間に充填剤などを入れる方法を併せて案内するクリニックがあります。実際にキレイパスに掲載されているチケットでも、他の施術と組み合わせる形のものが半数近くを占めています。
ここからはキレイパスに掲載されているチケットの実データを紹介します。集計日は2026年8月13日です。サブシジョンのチケットを購入した方(直近2年)の年代別構成比は次のとおりでした。
20代以下と30代を合わせると全体の8割を超えており、比較的若い層に利用が集中しています。40代以降は一桁台です。
年代別の口コミ平均点は次のとおりです(全期間の集計)。
| 年代 | 口コミ平均点(5点満点) |
|---|---|
| 20代以下 | 4.2 |
| 30代 | 4.2 |
| 40代 | 4.5 |
| 50代以上 | 4.6 |
施術後に投稿された口コミの平均点を年代別に見ると、いずれの年代も4.2以上で、年代によって評価が大きく変わる傾向は見られませんでした。どの世代でも一定の評価を得ていると読み取れます。
※キレイパス掲載チケットの購入・口コミデータをもとに集計(自社データ)。評価はクリニックでの体験に対するもので、施術の効果を保証するものではありません。
※本データは利用実態の参考情報であり、購入を推奨する趣旨のものではありません。
サブシジョンの料金を調べると、数千円と書かれたページと数十万円と書かれたページが並んで出てきます。2026年8月13日時点でキレイパスに掲載されているチケットも、数千円台から20万円台までが同じ「サブシジョン」の名前で並んでいます。
この差の大半は、料金の前提になる「範囲」の指定方法が2通りあることで説明がつきます。以下は、チケット名に「サブシジョン」と表示された販売中のチケットを、記載内容から分類したものです。実際に行われた施術の比率とは異なる可能性があります。
| 範囲の指定方法 | 掲載の構成比 | 多くが収まる価格帯 ※上下1割を除いた範囲 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 面積・箇所で指定する | 58.1% | 約19,000〜89,000円 | 「1cm×1cm」「2cm×2cm」「1か所」のように、施術する範囲を数えて決める。気になる凹みが数か所に限られる場合に選ばれやすい |
| 部位まるごとで指定する | 41.9% | 約75,000〜246,000円 | 「両頬」「両こめかみ」「全顔」のように部位の単位で決める。範囲内であれば数の制限を設けていないチケットもある |
つまり、「1cm×1cmあたりの価格」と「両頬まるごとの価格」を同じ土俵で並べてしまうと、相場が分からなくなります。安く見えるチケットは施術できる範囲が狭いことが多く、範囲を広げれば追加の枚数や別のチケットが必要になります。確認したいのは価格そのものではなく、その価格がどれだけの範囲に対するものかです。
組み合わせに使われるジュベルックは国内未承認の製剤で、医師の個人輸入で入手されています。同一成分の国内承認薬・主要な欧米各国での承認は確認できておらず、安全性に関する情報は限られています。健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象外です。ヒアルロン酸は製剤により国内承認品と未承認品があります。
チケットの価格に何が含まれるかはクリニックごとに異なります。初診料・再診料、麻酔代、施術後の内服薬や外用薬、肌診断の費用などは、含まれている場合と別途必要になる場合があります。購入前にチケットの記載内容を確認し、書かれていない項目はカウンセリングで質問してください。
施術名を決めきれていない場合でも、気になる凹みの状態から候補を比較できます。
サブシジョンは針を皮膚の下に通す手技のため、内出血や腫れが出やすい施術です。受ける前に経過とリスクの両方を確認しておいてください。向いている凹みの型については、前述の型別の向き不向きを参照してください。
クリニックの説明では、内出血に1〜2週間、腫れに数日、施術した部分の違和感やしこりのような感触に1週間程度をみておくよう案内されることがあります。内出血が黄色く変化してから消えるまでに時間がかかることもあります。これらの期間は範囲の広さや個人差によって変わります。大きな予定の直前は避け、経過に余裕を持たせられる時期を選んでください。
DermNet の解説では、次に当てはまる方にはサブシジョンは適さないとされています。
このほか、妊娠中・授乳中の方や、血液を固まりにくくする薬を服用している方への対応はクリニックによって異なります。当てはまる可能性がある場合は、診察時に必ず申告してください。内服のレチノイド製剤についてはイソトレチノインの解説記事で詳しく触れています。
サブシジョンは美容目的の自由診療で、健康保険は適用されません。また日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ニキビ跡の凹み(萎縮性瘢痕)に対して現時点で推奨できる治療法はないとされています。なお同ガイドラインは、サブシジョンそのものを取り上げていません。実際に医療機関で行われている施術ではありますが、費用と経過の見通しを確認したうえで判断してください。
まずは診察で自分の凹みの型を確認するところから始める方法もあります。キレイパスでは、購入前に料金・対象となる範囲・別途費用の有無・口コミを確認できます。
本記事は施術の情報提供を目的としたもので、効果を保証するものではありません。感じ方には個人差があります。サブシジョンは自由診療にあたるため、適否については医療機関にご相談ください。掲載価格・集計データは2026年8月13日時点のもので、変動する可能性があります。
編集:キレイパス編集部
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