たるみ治療を調べていて、タイタンという名前に行き当たった方も多いのではないでしょうか。調べ進めると、タイタンをハイフの一種として紹介している記事と、ハイフとは別物として説明している記事の両方が見つかります。
どちらかが間違っているわけではなく、タイタンという同じ名前が、近赤外線を使う機器と超音波を使う機器の二つに使われているためです。
そのため「タイタンはハイフなのか」という問いには、どちらのタイタンを指しているかを決めないと答えが出ません。この記事では、まず二つの見分け方を整理したうえで、公的な文書に書かれている内容を軸に、仕組み・料金・ダウンタイム・受けられない可能性がある場合までをまとめます。
結論から整理すると、美容医療で「タイタン」と呼ばれている施術には、大きく二つの系統があります。近赤外線という光を使うタイプと、ハイフ(HIFU)と呼ばれる超音波を使うタイプです。熱を作る手段そのものが違うため、痛みの感じ方も、国内での薬事上の扱いも別々に考える必要があります。
| 比較の観点 | 近赤外線タイプ | ハイフ(HIFU)タイプ |
|---|---|---|
| 熱を作る手段 | 近赤外線(光)を照射する | 超音波を一点に集束させる |
| 熱が届く主な層 | 真皮 | 皮下組織やSMAS(皮膚の下にある筋膜の層)など、より深い層 |
| 痛みの傾向 | 温かさとして感じられることが多い | 点状に熱を作るため響くような痛みを伴うことがある |
| ダウンタイム | 一過性の赤み・むくみが生じる可能性 | 赤み・むくみのほか、神経症状が生じた事例の報告がある |
| 国内での薬事上の扱い | 国内で承認を受けた機器がある | 美容目的の機器には国内未承認のものがある |
| 料金の設定単位 | 部位・照射数・併用する施術ごと | 部位・照射数(ショット数)ごと |
「第3世代タイタン」という呼び方を見かけることがあります。クリニックの案内では、ハイフタイプを指してこの表記が使われている例があります。機器メーカーが定めた製品区分ではありません。名前が同じでも別系統の施術なので、混同したまま比較すると条件が噛み合わなくなります。
見分け方はそれほど難しくありません。クリニックの案内に「HIFU」「ハイフ」「超音波」と書かれていればハイフタイプ、「近赤外線」「赤外線」「キュテラ」「xeo」と書かれていれば近赤外線タイプです。
注意したいのは照射数の表記です。「150ショット」「200shot」といった数え方はどちらのタイプでも使われており、ショット表記だけでハイフタイプと判断することはできません。判断がつかない場合は、機器名と承認の有無をカウンセリングで確認するのが確実です。この記事では、以降は近赤外線タイプを中心に説明し、ハイフタイプについては該当する箇所で個別に触れます。
近赤外線タイプのタイタンは、米国のキュテラ社(Cutera, Inc.)が製造する機器に搭載されたハンドピースの名称です。日本では、キュテラ株式会社が製造販売元となり、「Xeo SAシステム」という販売名で承認を受けています。
タイタンは単体で完結する機器ではなく、xeo(ゼオ)と呼ばれる本体に接続して使うハンドピースのひとつという位置づけです。同じ本体には、ライムライトやレーザージェネシスといった別のハンドピースも接続できます。同じクリニックでタイタンと他の施術を組み合わせたメニューが用意されていることが多いのは、この構造によるものです。
国が公開している電子添文(医療機器の公式な説明文書)には、次のように記載されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売名 | Xeo SAシステム(タイプXL) |
| 一般的名称 | キセノン光線治療器/赤外線治療器 |
| 承認番号 | 23000BZX00281000 |
| クラス分類 | 管理医療機器(クラスⅡ)・特定保守管理医療機器 |
| 使用目的又は効果 | 温熱効果による疼痛又は炎症の緩解 |
| 製造販売業者/製造業者 | キュテラ株式会社/Cutera, Inc.(米国) |
仕組みについても、同じ文書に説明があります。近赤外線は皮膚に対して反射しやすい一方で透過性も高く、入射後は皮膚の深部まで到達して発熱するとされています。光源はレーザーではなくハロゲンランプで、照射中は照射ウインドウを冷却しながら光を当てる設計です。
波長については、海外の医学専門誌に掲載された論文でもタイタンは「1100〜1800nmの赤外線機器」として扱われており、この範囲の光が水分に吸収されて熱に変わる性質を利用しています。熱によって真皮のコラーゲンが収縮し、その後の変化につながると説明されることが一般的です。ただし変化の程度には個人差があり、報告されている数値も研究ごとに幅があります。
ここは押さえておきたい点です。電子添文に書かれている承認上の使用目的は「温熱効果による疼痛又は炎症の緩解」です。たるみの改善やリフトアップは、承認された使用目的とは別の目的にあたります。
これは機器の質を否定するものではありません。国内の美容医療では、承認された使用目的とは別の目的で機器が使われる場面が珍しくなく、その場合は自由診療として扱われます。承認の有無と、自分の悩みに合うかどうかは別の論点として切り分けて考える必要があります。
なお、承認を受けた機器であっても、承認された使用目的と異なる目的で使う場合は、広告のうえでは未承認の機器と同じ扱いで説明が求められます。
クリニックの案内でたるみ治療として紹介されている場合は、どのような目的で用いるのか、承認上の位置づけをどう説明しているのかをカウンセリングで確認しておくと、認識のずれを防げます。
タイタンには複数の呼び名があります。タイタンXLは、電子添文にも記載されているハンドピースの型のひとつです。一方で、スーパータイタンやプレミアムタイタンといった名称は、クリニックが照射数や照射範囲を増やしたコースに付けている呼び名であり、機器メーカーが定めた製品区分ではありません。
同じ「タイタン」でも、含まれる照射数や範囲がクリニックごとに違うということです。名称だけで内容を比べず、照射数・部位・所要時間を並べて確認したほうが実態に近い比較になります。
タイタン(近赤外線タイプ)は真皮に熱を加える機器です。そのため、同じ「たるみ」という言葉でも、悩みの中身によって向き不向きが分かれます。
皮膚そのもののゆるみが主な悩みであれば、候補として検討しやすい施術です。一方で、深い層からのもたつきが主な原因になっている場合は、熱を届ける層が異なるハイフなども比較対象になります。どちらが主かは見た目の印象だけでは判断がつかないため、診察での確認が前提になります。
美容医療が初めての方は、痛みや腫れの少なさから検討されることもあります。ただし感じ方には個人差があるため、出力設定や施術範囲について事前に相談しておくと不安が減ります。
タイタン単独ではなく、他の施術と組み合わせたメニューが用意されていることがあります。実際にキレイパスに掲載されているチケットにも、レーザージェネシスやライムライトと組み合わせた構成が含まれています。
熱を加える工程と、肌表面のトーンや質感に働きかける工程を組み合わせる考え方です。組み合わせが増えるほど所要時間と費用は上がるため、優先したい悩みを決めてから相談する順序が向いています。
首は顔とは皮膚の厚みが異なり、別メニューとして設定されていることがあります。キレイパスの掲載チケットにも、首だけを対象にしたものがあります。
ただし電子添文では、大きなほくろ・アザ・体毛への照射を避けることや、長時間同じ部位に当てないことが明記されています。どこまで照射できるかは部位の状態によって変わるため、範囲は診察で決まります。
電子添文に記載されている一過性の事象は、施術後の紅斑(赤み)と浮腫(むくみ)です。まとまった休みを取りにくい方が検討しやすい理由はここにあります。
ただし、これは「必ず何も起こらない」という意味ではありません。反応の出方には個人差があり、出力設定によっても変わります。大切な予定の直前を避けるなど、余裕をもった日程で組むほうが安心です。
| 悩みの特徴 | 候補 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| たるみの初期段階・輪郭のゆるみが主 | タイタン(近赤外線タイプ)/深い層ならハイフも比較対象 | 真皮に熱を加え皮膚のゆるみに用いる | たるみ改善は承認外。診察で確認 |
| 肌のハリ・毛穴の目立ちも一緒に気になる | タイタンと他の施術を組み合わせたメニュー | 熱を加える工程と肌表面ケアを一度に | 組み合わせが増えるほど所要時間と費用が上がる |
| 首のたるみ・横ジワが気になる | 首を対象にしたタイタン | 顔とは別に部位を絞った設定がある | 避ける部位は定められ範囲は診察で決定 |
| ダウンタイムを取りにくい | タイタン(近赤外線タイプ) | 公式文書に挙がる一過性の事象は紅斑・浮腫 | 反応には個人差があり、出力設定でも変わる |
上の表は候補を整理したものであり、診断ではありません。最終的にどの施術が適しているかの判断は、医師の診察が必要です。
タイタンという名前で販売されているチケットが、実際にはどちらの系統なのか。キレイパスに掲載されたチケットを全件分類しました。対象は、これまでにキレイパスへ掲載されたチケットのうち、タイトルに「タイタン」を含むもの全件です(掲載を終了したものを含む、2026年8月12日時点)。標本ではなく全数を分類しています。
| 分類 | 掲載の構成比 |
|---|---|
| 近赤外線タイプ | 70.0% |
| ハイフ(HIFU)タイプ | 30.0% |
タイタンと表示されたチケットのおよそ7割が近赤外線タイプで、残る3割がハイフタイプでした。名前だけでは判別できない状態が、掲載チケットの側でも実際に起きていることになります。
さらに近赤外線タイプの中身を分けると、次のようになりました。
| 近赤外線タイプの内訳 | 掲載の構成比 |
|---|---|
| タイタン単独 | 64.3% |
| 他の施術との組み合わせ | 35.7% |
組み合わせの内訳には、レーザージェネシスとの併用や、ライムライトとレーザージェネシスを合わせた三つ構成のものが含まれます。タイタンを検討する場合、単独のメニューだけでなく組み合わせ型も選択肢に入ってくると考えておくと探しやすくなります。
※本データは利用実態の参考情報であり、購入を推奨する趣旨のものではありません。
先にお伝えしておくと、タイタンはキレイパスでの取り扱いが少ない施術です。そのため、統計的な相場として提示できるだけの掲載数がありません。ここでは価格を左右する要因と、確認しておきたい点を整理します。
参考として、2026年8月12日時点で掲載されているチケットの価格は、およそ1万9千円台から5万4千円台の範囲にあります。下限側は首など部位を絞ったもの、上限側は全顔を対象にしたものです。ただし件数が限られるため、これを相場として一般化することはできません。
掲載を終了したものまで含めて見ると、同じクリニック内でタイタン単独・他の施術との2つ組み合わせ・3つ組み合わせという順に価格が上がる形で設定されていた例があります。ハイフタイプでも、照射数が増えるほど価格が上がる段階設定が確認できました。いずれも現在は掲載を終了しているため、上の価格範囲には含めていません。同じ「タイタン」という表示でも、含まれる内容が違えば価格が変わるということです。
チケットの価格に何が含まれるかはクリニックごとに異なり、初診料・再診料、カウンセリング料、施術後のスキンケア用品などが別途必要になる場合があります。
複数回の施術を案内された場合は、1回あたりの価格だけでなく、想定される回数まで含めて確認しておくと予算を見積もりやすくなります。施術名から選びきれない場合も、気になる悩みから候補を比較できます。なお、検索結果には近赤外線タイプとハイフタイプの両方が並ぶため、どちらなのかは各チケットの記載で確認してください。
ここからは、公式文書に書かれている内容を軸にリスク面を整理します。近赤外線タイプについては電子添文の記載を、ハイフタイプについては国が発出した通知の内容を扱います。
次に当てはまる場合は、施術できるかどうかも含めて診察での確認が必要です。電子添文で、使用上の注意として挙げられている項目にあたります。
これらは受けられないと決まっているわけではなく、専門的な判断が必要な項目として文書に挙げられているものです。当てはまる場合は、申告したうえで判断を仰ぐことになります。
電子添文で予想される一過性の事象として挙げられているのは、施術後の紅斑(赤み)と浮腫(むくみ)です。クリニックによっては当日からメイクができると案内していますが、可否は施術後の状態によって変わります。
出力設定や照射範囲によっても変わるため、一律の目安として受け取らないほうが安全です。施術後の過ごし方や、赤みが続いた場合の連絡先については、事前に確認しておくと安心できます。
電子添文には、過剰な照射によって火傷・発赤・色素沈着・瘢痕・ケロイドを引き起こすことがあると記載されています。これを避けるため、治療前に低い出力でテスト照射を行い、反応を確認してから本照射に進むことが手順として定められています。
また、長時間同じ部位に当て続けることは熱傷の原因になるとも明記されています。施術中は目の保護も必要とされ、照射する部分を目に向けないこと、施術に立ち会う人が保護眼鏡を着用することが文書上定められています。出力を上げれば効果が上がるという単純な関係ではなく、文書のうえでも慎重な調整が前提とされています。
ハイフタイプについては、集束させた超音波で深い層に熱を作る仕組み上、赤み・むくみのほかに神経症状が生じた事例が報告されています。国民生活センターは、医療機関以外での施術による熱傷や神経損傷の事例を公表しています。
電子添文では、次の患者への適用が禁忌・禁止として定められています。
あわせて、以下は専門医の医学的知見を必要とする対象として警告に記載されています。
これらは機器の公式文書に明記されている項目です。該当する可能性がある場合は、必ず事前に申告してください。
ハイフタイプのタイタンについては、国内で薬機法上の承認を受けていない機器を医師が個人輸入して使用していると案内しているクリニックがあります。未承認の医療機器を用いる施術を広告する場合、国のガイドラインは次の5点を示すことを求めています。
3点目については、国内で美容目的に承認された超音波照射器が登場したのは2025年で、ハイフとして案内される機器のなかには国内承認を受けていないものがあります。同じ性能をもつ承認機器が国内にあるかどうかは機器ごとに違うため、使用する機器名とあわせて確認してください。4点目の海外での承認・安全性の情報も、どの機器を使うかによって変わり、一律には示せません。
5点目の救済制度についても押さえておく必要があります。医薬品副作用被害救済制度が対象とするのは医薬品と再生医療等製品で、タイタンのような医療機器による健康被害は、承認を受けているかどうかにかかわらずこの制度の対象になりません。近赤外線タイプのように国内で承認された機器であっても、この点は変わりません。
これらの記載が案内に見当たらない場合は、カウンセリングで確認するのが確実です。
なお、ハイフを用いた施術については、2024年6月に厚生労働省が「医師免許を有しない者が行った高密度焦点式超音波を用いた施術について」という通知を発出しています。ハイフの施術は医行為にあたり、医師免許を持たない者が業として行うことは医師法に違反するという内容です。エステサロンなどの施術と、医療機関での施術は別のものとして扱う必要があります。
切らないたるみ治療は種類が多く、名前だけでは違いが見えにくくなっています。整理の軸になるのは、熱をどの層に、どのような形で届けるかです。
| 施術 | 熱を作る手段 | 熱が届く主な層 | 国内での薬事上の扱い |
|---|---|---|---|
| タイタン(近赤外線タイプ) | 近赤外線(光) | 真皮 | 承認あり(使用目的は疼痛・炎症の緩解) |
| ソフウェーブ | 集束させない超音波 | 真皮 | 承認あり(使用目的はしわの改善) |
| サーマクール | 高周波(RF) | 真皮から皮下組織 | クリニックの案内では国内未承認として説明されている |
| ハイフ(HIFU) | 集束させた超音波 | 皮下組織やSMASなど、より深い層 | 機器によって異なる |
同じ層に熱を届ける施術でも、熱の作り方が違えば感じ方も反応も変わります。どれかが優れているという関係ではなく、悩みの原因がどの層にあるかで検討する順番が入れ替わると考えるほうが実態に合います。承認の有無も施術の優劣を表すものではありませんが、未承認の機器を使う場合は前のセクションで挙げた5点の説明があるかを確認しておくと安心です。
熱を使うたるみ治療全般については、オンダリフトの解説記事でも仕組みと持続期間の考え方を扱っています。あわせて読むと、層ごとの違いが整理しやすくなります。
タイタンの場合、確認しておきたい項目がやや特殊です。名前が同じで中身が違う施術が併存しているため、条件をそろえてから比べる必要があります。
施術名を決めきれない場合でも、気になる悩みから候補を比較したうえで相談できます。キレイパスでは購入前に料金・対象条件・別途費用の有無・口コミを確認できるので、条件をそろえて比べる用途にも使えます。
名前が同じで中身が違う施術だからこそ、機器のタイプ・照射範囲・料金に含まれる範囲をそろえて比べることが、納得できる選択につながります。
効果には個人差があり、必ず効果を保証するものではありません。本記事で紹介した承認内容・禁忌・警告・使用上の注意は「Xeo SAシステム」電子添文(2018年9月21日作成 第1版)の記載に基づくものです。実際に受けられるかどうかは診察で判断されます。ハイフ(HIFU)タイプのタイタンに用いられる機器には国内で承認されていないものがあり、その場合は医師の個人輸入によるものです。医薬品副作用被害救済制度は医薬品と再生医療等製品を対象とする制度で、医療機器による健康被害は承認の有無にかかわらず対象になりません。掲載データは2026年8月12日時点の集計であり、今後変動する可能性があります。
編集:キレイパス編集部
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