顔のたるみを調べていると、必ずといっていいほど「ウルセラ」に行き当たるのではないでしょうか。ところが読み進めるほど、ハイフと同じなのか別物なのかが分からなくなってきます。
原因は、「ウルセラ」という同じ言葉が、場面によって違うものを指して使われていることにあります。この記事では何を指しているのかを切り分けたうえで、効果の考え方、部位別の料金相場、国内では未承認の医療機器である点までを整理します。
まず、どの呼び方が何を指しているのかを押さえておくと、以降の情報が読み解きやすくなります。
| 呼び方 | 何を指しているか |
|---|---|
| ウルセラ/ウルセラシステム/ウルセラピー | 米国で開発された超音波機器そのもの。呼び方が違うだけで同じもの |
| ウルセラプライム | 2026年1月から国内での提供が始まった後継機 |
| ウルセラリフト/ウルセラHIFU など | クリニックが独自に付けた施術メニュー名 |
| ハイフ(HIFU) | 超音波を使うたるみ治療の総称。ウルセラはその中の1機種 |
英語の製品名は「Ultherapy」、機器としての名称は「ULTHERA System」です。カタカナ表記が違うだけで中身は同じなので、表記違いを別の機器として探し始めると比較のときに混乱します。
「ウルセラリフト」「ドクターハイフ」といった名称も、医療機関がメニューに付けた呼び名です。同じ機器でも名前が違う、名前が似ていても照射範囲や設定が違う、ということが起こります。名称ではなく、どの部位に何ショット照射するかで比較するのが確実です。
ここが最もつまずきやすい点ですが、ハイフ(HIFU)は「高密度焦点式超音波」の略で、超音波を一点に集めて熱を加える施術ジャンル全体を指し、ウルセラはその方式を用いた機器のうちの一つにあたります。「ハイフを受けたい」と「ウルセラを受けたい」では、指定の細かさが違うことになります。
皮膚の下には、表情筋を包むSMAS(表在性筋膜)と呼ばれる膜組織があります。フェイスリフト手術で引き上げる対象となる層で、化粧品やマッサージでは届きません。ウルセラを開発・製造販売する米国のメルツ・エステティックス社(Merz Aesthetics)は、微細に集束させた超音波でこの層に焦点を合わせ、コラーゲン産生を促す仕組みと説明しています。
照射する深さはおおむね1.5mm・3.0mm・4.5mmから選び、それぞれ真皮層・脂肪層・SMAS層に対応させる形です。また超音波画像モニターで照射する層を確認しながら進められる点も特徴とされています。
| 比べる観点 | ハイフ(HIFU) | ウルセラ |
|---|---|---|
| 何を指すか | 超音波を集めて熱を加える施術ジャンル | その方式を用いた機器の一つ |
| 使われる機器 | ウルトラセル、ウルトラフォーマー、ソノクイーンなど多数 | ウルセラ/ウルセラプライム |
| 照射のしかた | 機器ごとに異なる | 超音波画像で層を確認しながら照射 |
「ハイフに興味がある」段階なら、機器を問わず相談する進め方があります。「ウルセラで受けたい」と決まっているなら、取り扱いのある医療機関を先に確認してから予約するとカウンセリングがスムーズです。
ただしたるみの原因は一つではありません。皮膚のゆるみが主なのか、脂肪の量なのか、骨格由来なのかによって適した方法は変わり、ハイフが向く場合もあれば糸リフトなど他の治療が検討される場合もあると説明されています。
医療機関の説明では、施術直後から数か月かけてコラーゲンが新しく作られ、その後しばらく状態が保たれると案内されるのが一般的です。持続期間は6〜12か月程度を目安として示す医療機関が多く見られます。
ただしこれは医療機関側が示す目安であり、公的機関が定めた数値ではありません。年齢や肌の状態、照射した部位やショット数によって差が出ます。繰り返す場合の間隔にも一律の標準はなく、必要な回数や次に受ける時期は診察のうえで決まることになります。
料金を調べると十数万円から30万円近くまで幅があって戸惑うかもしれません。この幅を生んでいるのは、主に照射する部位の範囲とショット数です。
| 照射する部位 | 掲載価格帯 |
|---|---|
| 目元・まぶた | 128,700円 |
| 全顔 | 141,000〜264,000円 |
| 上顔面 | 143,000円 |
| 首 | 158,400〜165,000円 |
| 部分(頬・フェイスラインなど) | 180,000〜287,100円 |
| 中顔面 | 198,000円 |
| 全顔+首・あご下 | 299,000円 |
範囲が広いほど高くなる傾向は見て取れますが、単純な比例関係ではありません。同じ「全顔」でも12万円以上の開きがあり、部分照射のほうが全顔より高い掲載もあります。
掲載では100〜360ショットまで幅がある
深さごとに使い分ける消耗品で、本数によって原価が変わる
全顔か中顔面か、首まで含むか
麻酔代、初診料・再診料など。麻酔込みのプランもある
掲載の多くは部位だけの表記なので、金額を並べても同じ条件で比べられているとは限りません。範囲・ショット数・麻酔代や初診料を含むかまでそろえて確認してください。
| 機器 | 掲載価格帯 | 掲載が多い価格帯 |
|---|---|---|
| ウルセラ系 | 128,700〜299,000円 | 198,000円前後 |
| ウルトラセルZi | 9,800〜330,000円 | 77,000円前後 |
| ウルトラセルQプラス | 9,900〜223,000円 | 53,900円前後 |
| ウルトラフォーマーMPT | 9,800〜148,000円 | 39,800円前後 |
| ウルトラフォーマー3 | 6,500〜198,000円 | 37,800円前後 |
| ソノクイーン | 10,000〜49,800円 | 19,800円前後 |
他の機器が1万円前後から選べるのに対し、ウルセラ系は下限が12万円台から始まります。
この差は照射数の設定や消耗品の価格、機器の導入コストが積み上がったもので、価格の高低はそのまま効果の優劣を示すものではありません。選び方としては次の3通りが考えられます。
手が届きやすい価格帯の機器から検討する
ウルセラを扱うクリニックに絞り、範囲と照射数を確認する
両方を扱うクリニックで相談し、肌の状態に合う選択肢を提案してもらう
メーカー公式では、臨床試験で多く報告された反応として赤み・腫れ・痛み・一時的な神経への影響が挙げられています。医療機関の情報では、ほかに圧痛、みみず腫れ、内出血、色素の変化、一時的な部分的な神経の麻痺、まれに水疱・やけど・瘢痕が挙げられることがあります。
多くは一時的とされますが、発生頻度を一律に示すことは困難です。照射する層や出力、施術者の手技、体質によって変わるためです。「ダウンタイムがない」と案内されることもありますが、赤みや圧痛が数日から数週間続く場合もあると報告されています。痛みもSMAS層まで熱を届ける性質上、骨に近い部位では響くように感じる方がいると説明されています。
いずれも事前に聞いておけば見通しが立てられる範囲です。カウンセリングでは次の3点を確認しておくと安心して当日を迎えられます。
ウルセラは薬機法上の承認を受けていない医療機器として扱われ、医療機関が個人輸入という形で入手しています。医療広告ガイドラインのQ&A(Q2-13)は、未承認の医療機器を自由診療で用いる場合に次の4点の明示を求めています。きちんと開示している医療機関は情報公開に誠実だと考えられます。
ウルセラおよびトランスデューサーは国内で承認を得ていません。国内の審査を経ていないという意味であり、海外での使用実績がないという意味ではありません
医師による個人輸入。製造販売元はメルツ・エステティックスです。厚生労働省は個人輸入の注意点をまとめたページを公開しています
同一の承認機器は国内に存在しないとされています(メーカー・医療機関の説明による)。ハイフ機器という括りでの他の選択肢は複数あります
米国では眉・首・あご下のリフト、デコルテの改善についてFDAのクリアランスを取得。報告されている反応は前項のとおりです
自由診療は公的医療保険が使えず費用が全額自己負担という意味で、国内承認の機器でも美容目的なら自由診療です。一方未承認は、国内で品質・有効性・安全性の審査を経ていないという意味です。承認の有無と保険が使えるかどうかは別の論点になります。
また、医薬品副作用被害救済制度などは国内で承認された製品を対象とするため、未承認機器による健康被害は対象とならない可能性があります。判断の分かれ目は「未承認かどうか」よりも、その事実を含めて説明を尽くしてくれる医療機関かどうかにあります。
ウルセラという言葉は、機器そのもの、後継機のプライム、クリニックが付けた施術名、ハイフ全般の代名詞と、場面によって違うものを指して使われています。ハイフが施術ジャンルで、ウルセラはその中の1機種という関係です。料金は照射範囲とショット数で決まり、キレイパスの掲載では12万円台から29万円台まで開きがありました。
他のハイフ機器と比べると価格帯は高い位置にありますが、それは照射数や消耗品の構成による部分があり、効果の優劣を示すものではありません。国内では未承認の医療機器にあたるため、4点の説明を受けたうえで判断してください。たるみの原因は人によって違います。まずは自分の状態に何が向いているかを相談するところから始めましょう。
感じ方には個人差があり、記載内容が効果を保証するものではありません。ウルセラは国内では薬機法上の承認を受けていない医療機器であり、施術は自由診療となるため、適否については医療機関にご相談ください。掲載価格・集計データは2026年7月29日時点のものであり、変動する可能性があります。
コピーしました