シミを消したいと思って調べ始めると、ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルと似た名前が並び、料金も数千円から数万円までばらついていて、迷ってしまうのではないでしょうか。
ピコスポットはピコレーザーの照射方法のひとつで、気になるシミを1つずつ狙って高い出力で照射する方法を指します。そして料金は「1か所いくら」で数えるか「何個でも定額」で数えるかによって、総額が大きく変わります。
この記事では、ほかの照射方法との違いと学会指針での位置づけを整理したうえで、キレイパスの購入・口コミデータから料金の実態と利用者層をまとめます。
同じピコレーザーを使っていても、この3つは出力の強さと照射のしかたが違います。ピコスポットは、このうち出力を高く設定し、気になるシミの1点に集中して当てる方法として案内されるのが一般的です。
| 照射方法 | 出力と照射のしかた | 主に相談される肌悩み |
|---|---|---|
| ピコスポット | 高い出力で、シミ1つずつに集中して照射 | 日光黒子(老人性色素斑)、そばかす |
| ピコトーニング | 低い出力で、顔全体に均一に照射 | 肝斑、くすみ、広い範囲の色ムラ |
| ピコフラクショナル | 点状に細かく分けて照射 | 毛穴、ニキビ跡の凹凸、小じわ |
名前が似ていても、主に狙う肌悩みは異なります。輪郭のはっきりした濃いシミにはピコスポット、顔全体にぼんやり広がる色ムラや肝斑にはピコトーニング、という使い分けで案内されるのが一般的です。
ピコ秒は1兆分の1秒を指す単位です。日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会は「美容医療診療指針」をまとめています。同指針はピコ秒レーザーを、「1ナノ秒未満の光パルス持続時間を作り出し、短いパルス幅と大きなピークパワーによってより選択的な破壊を生じさせる」ものと説明しています。従来から主流のQスイッチレーザーは、ナノ秒(10億分の1秒)単位のパルス幅を持つ機器です。
違いは、熱で溶かすか、衝撃で砕くかという点にあります。同じ指針はピコ秒レーザーについて「光熱効果よりも多くの光音響効果を示す」と記載しており、周囲の組織に熱が伝わる前にメラニンを細かく砕くことをねらった機器と位置づけられます。細かくなった色素は、体の代謝によって運び出されやすくなるとされています。
ただし、ピコ秒レーザーが従来機より必ず優れているとまでは言い切れません。指針は、アジア人の上肢の日光黒子でナノ秒レーザーとピコ秒レーザーを比べた試験を紹介しています。それによると色素の消え方に2群間の差はなく、患者満足度の面でピコ秒レーザーが優れていたと報告されています。
シミとひとくちに言っても種類があり、種類によってレーザー治療の位置づけが変わります。日本皮膚科学会などがまとめた「美容医療診療指針」では、日光黒子と肝斑で推奨度が分かれています。
| シミの種類 | 候補になる照射 | 指針での位置づけ 数字が小さいほど推奨が強い | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 日光黒子(老人性色素斑) | ピコスポット | 推奨度1 (強く推奨) | 長期の比較データは十分でない |
| そばかす(雀卵斑) | ピコスポット | 記載なし | まず診察で診断を受ける |
| ADM(真皮のシミ) | レーザー治療 | 推奨度1 (強く推奨) | 色素が深く回数・設定が変わる |
| 肝斑 | まず外用薬・内服薬 | 推奨度2 (弱く提案) | 高い出力で悪化することがある |
指針の推奨度1は「治療を希望する患者には強く推奨する」、推奨度2は「条件によっては、行うことを弱く提案する」という意味です。見た目が似ていても種類によって位置づけは変わるため、最終的な判断は診察が必要です。
日光黒子は紫外線の影響で輪郭がはっきり出るタイプで、ピコスポットのように1点を狙う照射が選ばれやすいシミです。ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は色素が皮膚の深い層にあるため、必要な回数や設定は日光黒子と同じにはなりません。同じ「シミ」でも、種類ごとに見通しは変わります。
頬骨のあたりに左右対称でぼんやり広がる肝斑は、扱いが変わります。指針には、高い照射エネルギー量のQスイッチレーザーを肝斑に当てると、強い炎症が起きて悪化することが知られていると記載されています。薄くするつもりの照射で、かえって濃くなることがあります。クリニックによっては、肝斑には低い出力のピコトーニングや内服薬を先に提案します。
シミの種類は自分では見分けられません。指針も「診断を丁寧に行い、特に悪性腫瘍(悪性黒子など)との鑑別に注意を要する」としています。シミに見えても別の病変であることがあるため、照射の前に医師の診察を受けることが前提です。
クリニックの案内では、1〜3回程度、間隔は4〜6週間を目安とする説明が多く見られます。ただし回数はシミの種類・濃さ・深さによって変わり、1回では取りきれない場合があります。
照射から2〜3週間ほど経って、シミが再び濃くなったように見えることがあります。これは炎症後色素沈着と呼ばれる反応で、次の項目で詳しく説明します。取り切れなかったのか、色素沈着の途中なのかは見分けが難しいため、次の照射の時期は診察で判断されます。
必要な回数や追加照射の時期は、クリニックによって考え方が異なります。一律の標準があるわけではないため、カウンセリングで確認しておくと予定を立てやすくなります。
照射直後は患部が白く変化し、赤みやヒリつきが出ることがあります。数日のうちに薄いかさぶたのような膜ができます。それが1〜2週間ほどかけて自然に剥がれていく、という経過が一般的に案内されています。
かさぶたを無理に剥がさないことが、その後の経過を左右します。刺激を与えると炎症が長引き、色素沈着が残りやすくなるためです。テープで保護するかどうかは、部位やクリニックの方針によって異なります。
美容医療診療指針は、日本人を含めた有色人種では炎症後色素沈着や色素脱失などの合併症が起こり得るとしています。一方で、適切なフルエンスとパルス照射時間であれば瘢痕化は起こらないとも記載しています。避けられない失敗ではなく、起こり得る反応として想定しておくべきものです。
日焼けしている場合は、機器によっては禁忌にあたります。照射部位に強い炎症・肌荒れがある時期も、時期をずらすよう案内されることがあります。ほかの照射やピーリングを受けた直後も、間隔を相談してください。シミの種類は自分では見分けられません。肝斑が混在している場合は出力の設定が変わるため、自己判断で施術を選ばないことが前提になります。
機器の添付文書では、次の方・部位には使用しないこととされています(ピコウェイ添付文書・ピコシュア添付文書。いずれも2026年8月時点)。
禁忌の範囲は使用する機器によって異なります。該当する可能性がある場合は、診察時に必ず申し出てください。
炎症後色素沈着は、かさぶたが取れた後に色が戻ってきたように見える反応です。数か月かけて徐々に薄くなっていくとされていますが、期間には個人差があります。この時期の紫外線対策は、経過に関わる要素として案内されることの多い項目です。
日焼け止めに加えて、日傘や帽子で直射日光を避ける対応も案内されます。照射部位をこすらないことも同様です。かさぶたが取れた直後の皮膚は刺激に弱い状態が続くため、いつからメイクや洗顔を通常どおりに戻してよいかは、診察時に確認しておくと安心です。
キレイパスでピコスポットのチケットを購入した方(直近2年)の年代別構成比は、次のとおりです。
最も多いのは30代で、20〜30代を合わせると約7割を占めます。一方で40代以上も約3割を占めています。
※本データは利用実態の参考情報であり、購入を推奨する趣旨のものではありません。
| 年代 | 口コミ平均点(5点満点) |
|---|---|
| 20代以下 | 4.3 |
| 30代 | 4.2 |
| 40代 | 4.2 |
| 50代以上 | 4.1 |
施術後に投稿された口コミの平均点を年代別に見ると、いずれの年代も4.1以上で、年代によって評価が大きく変わる傾向は見られませんでした。どの世代でも一定の評価を得ていると読み取れます。
※キレイパス掲載チケットの購入・口コミデータをもとに集計(自社データ)。評価はクリニックでの体験に対するもので、施術の効果を保証するものではありません。
ピコスポットの料金を比べにくくしているのは、金額そのものよりも数え方の違いです。キレイパスに掲載されているピコスポットのチケットは、大きく3つの数え方に分かれます。価格帯は販売中の顔向けチケットの表示価格(税込)で、下位10%〜上位10%の範囲です。購入された割合は直近2年の集計です。
| 数え方 | 内容 | 顔の価格帯 | 購入された割合 |
|---|---|---|---|
| 取り放題型 | 数やサイズの制限を設けず、範囲内をまとめて照射する | 18,500〜69,000円 | 44.1% |
| 個数・サイズ指定型 | 「1か所」「5mm以下を10か所」のように対象を限定する | 3,300〜33,000円 | 35.1% |
| セット型 | ピコトーニングやピコフラクショナルなどと組み合わせる | 9,400〜84,000円 | 20.8% |
最も多く購入されているのは取り放題型で、全体の4割強を占めます。単価だけを見ると個数・サイズ指定型のほうが安く見えますが、対象が1か所に限られるチケットも含まれるため、シミの数が多い場合は総額が逆転することがあります。
数が少なく輪郭のはっきりしたシミだけを狙うなら個数・サイズ指定型、顔全体に散らばっている場合は取り放題型、というのが選び分けの目安になります。ただし取り放題型でも「全顔」「頬のみ」といった範囲の指定があるため、対象範囲の確認は必要です。
加えて、ピコスポットは1回で終わるとは限らない施術です。1回あたりの金額だけでなく、2回目以降を受けた場合の総額まで含めて比べると、判断がぶれにくくなります。再照射の料金設定はクリニックによって異なります。
また、チケットの金額に含まれない費用があります。麻酔代、初診料・再診料、照射後の外用薬やテープ代は、クリニックによって扱いが異なります。クリニックで案内される費用は税込か税別かの表記が異なる場合があります(キレイパスの表示価格は税込です)。総額を比べるときは、これらを含めた金額で確認してください。
数え方を決めきれない場合も、掲載中のチケットで内容と価格を並べて比較できます。
「ピコスポット」という名前の医療機器は、国内の承認機器のなかにはありません。ピコレーザーの照射方法を指す呼び名で、実際に使う機器はクリニックによって違います。
直近2年に購入されたチケットのタイトルを見ると、書かれている機器名は10種類以上あります。上位3機種で購入の約7割を占め、機器名が書かれていない購入も1割ほどありました。同じ「ピコスポット」でも、使う機器が同じとは限りません。
国内での薬事承認の状況も、機器によって違います。ピコウェイとピコシュアはいずれも国内で承認を受けており、使用目的は体表面の色素性病変の治療と刺青の除去です(2026年8月時点)。
ただし承認を受けた機器でも、日光黒子など美容目的の治療は自由診療です。保険が使えるのは太田母斑などの一部の疾患に限られます。承認されているかどうかと、保険が使えるかどうかは別の話になります。
機器ごとの特徴の違いは、こちらの記事で扱っています。
ピコレーザーには、国内で薬事承認を受けていない機器もあります。未承認の医療機器を使う場合、クリニックは医療広告に関する国のルールにもとづいて次の5点を示すことになっています。カウンセリングで確認しておきたい項目でもあります。
美容医療診療指針は、施術者に対して「各機器の特性について習熟し、合併症や治療期間、費用まで含めた十分な説明と同意のもとに行うことが求められる」としています。説明の丁寧さは、受ける前に確認できる数少ない判断材料です。
シミの種類の見分けは診察が前提です。気になるシミがある方は、まず医師の診断を受けたうえで方針を相談してください。
効果には個人差があり、施術の効果を保証するものではありません。日光黒子(老人性色素斑)など美容目的のシミ治療は、保険適用外の自由診療です。使用される機器には国内で薬事承認を受けたものと受けていないものがあり、未承認の機器は医師の判断による個人輸入などで入手されます。医療機器による健康被害は、承認の有無にかかわらず医薬品副作用被害救済制度の対象外です。妊娠中・授乳期の方、持病がある方、光線過敏症のある方は、施術前に必ず医師にご相談ください。利用データは2026年8月10日時点の集計であり、今後変動する可能性があります。
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