ニキビの治療法を調べていると必ずと言っていいほど目に入ってくるアビクリアですが、本当に効くのか、自分のニキビが対象になるのか、判断がつかない方も多いのではないでしょうか。
アビクリアの情報は「日本で承認されている」「自分が対象にあたる」「保険がきく」の3つが混ざりがちです。承認されているのは事実ですが、対象になるニキビは限られており、保険は使えません。この3点を整理したうえで、効果・料金・回数・副作用まで順番に解説します。
アビクリアは、ニキビの原因になる皮脂腺にレーザーを当てる治療機器です。まだ広くは知られていませんが、2025年に日本で承認されました。まずは混同されやすい3点を整理します。
2025年5月22日に日本で製造販売承認を受けています。海外の臨床試験の成績をもとに「改良医療機器(臨床あり)」として承認されたもので、医師が個人輸入して使う未承認の機器ではありません。
承認された使用目的は「中等症から最重症の尋常性ざ瘡(ニキビの医学的な名称)の治療」です。軽いニキビやときどきできる程度のニキビは、承認上の対象に含まれていません。
ややこしいのが米国との違いです。米国のクリアランスは「軽症から重症」で軽症を含むため、海外の情報をもとに「軽症でも受けられる」と考えていた方はご注意ください。
医療機器として承認されていることと、健康保険が使えることは別の制度です。保険診療の外用薬や内服薬には保険が使えますが、アビクリアは自由診療で全額自己負担になります。
| 論点 | 事実 |
|---|---|
| 国内で承認されているか | 承認されている |
| どんなニキビが対象か | 中等症から最重症の尋常性ざ瘡。軽症は対象外(米国は軽症を含む) |
| 保険は使えるか | 使えない。自由診療で全額自己負担 |
なお「国内初のニキビ治療用レーザー」という紹介も見かけますが、これはクリニックの説明で使われる表現で、公的な区分にもとづくものではありません。
では、いちばん気になる「本当に効くのか」から見ていきます。
※承認情報の出典はPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)の2025年度承認品目一覧。販売名は「AviClear レーザシステム」、製造販売業者はキュテラ株式会社。米国の使用目的はFDA 510(k)(K213461)による。
アビクリアは、1726nmという波長のレーザーを使ったニキビの治療機器です。この波長の光は皮脂に吸収されやすく、皮膚の表面ではなく皮脂腺をねらって熱を届けられるのが特徴です。
承認時の使用目的にも「皮脂腺に熱損傷を与えることで、皮脂の生成を減少することで尋常性ざ瘡を治療する」と記載されています。
ただしニキビには、皮脂のほかに毛穴の詰まりや細菌、ホルモンの影響なども関わるとされています。原因の一部に働きかける方法であり、皮脂腺に作用すれば必ず改善するというものではありません。
接触冷却の機構を備えており、皮膚の表面温度を抑えながら照射します。深いところに熱を届けつつ、表面へのダメージを抑えるための仕組みです。
根拠となった海外の臨床試験も、参加者104人のうち103人が中等症または重症と判定された集団が対象でした。実際に受けられるかは診察した医師の判断になりますが、「ニキビがあれば誰でも対象」ではない点は知っておくとよいでしょう。
承認された使用目的は、現在できているニキビの治療です。ニキビが治まったあとに残る凹凸(瘢痕)や毛穴の開きは、対象に含まれていません。
皮脂が減ることで毛穴の見え方に変化を感じる方もいますが、承認された使用目的とは別の話です。ニキビ跡の凹凸が主な悩みであれば、別の治療を検討したほうがよい場合があります。
保険診療では、毛穴の詰まりに働きかける外用薬や、炎症を伴うニキビへの内服薬が用いられます。重症のニキビにはイソトレチノインが選択肢になることもありますが、こちらは国内未承認の医薬品で自由診療の扱いです。
アビクリアの効果は、照射直後ではなく数か月かけて現れるとされています。海外の臨床試験では、炎症を伴うニキビが半分以下に減った人の割合が、最終照射から3か月後で約8割、1年後には9割を超えました。
引用される数字が記事によって違うのは、効果の基準といつ時点の結果かが異なるためです。根拠となったのは、中等症から重症のニキビがある104人に3回照射した海外の試験で、参加者は16歳から40歳(平均22.2歳)でした。
| 最終照射からの経過 | 炎症を伴うニキビが半分以下に減った人の割合 |
|---|---|
| 4週後 | 32.6% |
| 12週後(約3か月) | 79.8% |
| 26週後(約6か月) | 87.3% |
| 52週後(約1年) | 91.5% |
※海外で実施された試験の結果であり、日本人を対象としたものではありません。効果を保証するものではありません。
なお「2年後も改善が保たれていた」という報告もありますが、こちらは参加者17人の小規模な試験によるものです。
「4〜6週間隔で3回が標準」と紹介されることが多いのですが、根拠となった臨床試験の照射間隔は2週から5週の幅がありました。3回という回数も、その試験の手順にもとづくものです。
専門医のコンセンサス文書でも3回を基本としつつ、反応が部分的な場合や変化が頭打ちになった場合は4回目を検討するとされています。回数と間隔は一律ではなく、肌の状態を見ながら診察で決まります。
「3回受ければ終わり」と考えず、経過を見て方針を相談できるクリニックを選ぶほうが現実的です。
料金の目安は、全顔1回で5万円前後から、全顔3回のセットで15万〜20万円台です。自由診療のため各クリニックが自由に価格を設定でき、内容によって幅があります。
表示金額だけで比べると、あとから「思ったより高かった」となりやすい点に注意が必要です。次を先に確認しておくと、総額のずれを防げます。
米国の承認資料によると、臨床試験で報告された主な副作用は次のとおりです。
いずれも「軽度」で、施術終了から数時間から数日のうちに自然に落ち着いたとされています
程度・経過は赤みと同様
すべて「軽度」
重篤な有害事象の報告はなかったとされています。
「輪ゴムで弾かれる程度」と説明されることがありますが、専門医のコンセンサス文書で報告されている痛みの平均は10段階で5.2でした。感じ方には個人差が大きく、麻酔クリームを使えるかどうかや追加費用の有無はクリニックによって異なります。
照射後、一時的にニキビが増えたように見えることがあります。「パージング」「好転反応」と説明されますが、これは日本のクリニックで使われている呼び名で、医学的に定義された用語ではありません。
米国の承認資料では45.2%に報告されています
1件を除いてすべて「軽度」。唯一「中等度」だった1件も、もともと重症と判定されていた方の初回照射後のものです
多くは一時的で、時間の経過とともに落ち着いていくとされています
カウンセリングでは、落ち着くまでの期間とその間の対処まで確認しておくと安心です。
実際の可否は診察のうえで判断されます。持病や服用中の薬がある場合は、事前に申し出てください。
ニキビの治療は、どれが優れているかではなく、自分の状態に合うものを選ぶものです。それぞれ働きかける対象が違います。
| 治療 | 主な働きかけ方 | 費用の扱い |
|---|---|---|
| 外用薬 | 毛穴の詰まりや細菌に作用する。ニキビ治療の基本として用いられる | 保険診療で行われる |
| 抗菌薬の内服 | 炎症を伴うニキビに対して一定期間用いられる | 保険診療で行われる |
| アビクリア | 皮脂腺に熱を加え、皮脂の生成を減らすことを目的とする | 自由診療 |
| ケミカルピーリング | 角質へのアプローチが中心 | 自由診療が中心 |
保険診療の治療をまだ試していない段階なら、まずそちらから相談する進め方もあります。そのうえで、自分のニキビがアビクリアの対象にあたるかを含めて、一度診察で相談すると次の一歩が決めやすくなります。
キレイパスでは、ニキビに関する施術のチケットを掲載しています。
承認された使用目的(中等症から最重症)に照らして、自分のニキビが対象にあたるかを説明してくれるか
一時的にニキビが増える可能性を、頻度と落ち着くまでの見通しを含めて事前に説明があるか
税込か税別か、初診料・麻酔代・追加照射を含めた総額が事前に提示されるか
3回で変化が乏しかった場合にどう考えるか、説明があるか
保険診療のニキビ治療も含めて、選択肢を示してくれるか
アビクリアは、1726nmのレーザーで皮脂腺に働きかけるニキビの治療機器です。2025年5月に国内で承認されましたが、対象は中等症から最重症のニキビに限られ、健康保険は使えません。
効果は数か月かけて現れる経過が報告されており、料金は全顔3回で15万〜20万円台が目安です。一時的にニキビが増えることも一定の頻度で報告されています。自分のニキビが対象にあたるかを含めて、まず診察で相談することが出発点になります。
効果や経過には個人差があり、必ず効果を保証するものではありません。アビクリアによる治療は健康保険が適用されない自由診療です。持病がある方、妊娠中・授乳中の方、服用中の薬がある方は、施術前に必ず医師にご相談ください。本記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。掲載内容は2026年7月29日時点の情報です。
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