シミやそばかすが気になってクリニックを調べはじめると、「フォトフェイシャル」「ライムライト」「ルメッカ」と、聞き慣れない名前が並んで戸惑うのではないでしょうか。
これらはいずれも呼び名が違うだけで、すべてIPL光治療にあたります。メニュー名の多くは「IPL光治療(機器名)」の形で書かれていて、括弧の中に入る機器名が20種類以上あるため、別々の施術のように見えます。
もうひとつ知っておきたいのが、同じ「シミ」でも学会の指針では評価が分かれている点です。この記事では、名前の対応関係、悩みごとの向き不向き、国内での扱い、実際の利用者層、料金相場までを順に整理します。
IPLは Intense Pulsed Light の略で、日本語では光治療と呼ばれます。ここで押さえておきたいのは、IPLが特定の製品名ではなく光の当て方の種類を指す言葉だということです。
クリニックのメニューに並ぶ名前は、総称・呼称・製品名が入り混じっており、それぞれ指しているものの階層が違います。
| メニューに書かれる名前 | それが指すもの |
|---|---|
| IPL光治療 / 光治療 | 光の当て方の総称 |
| フォトフェイシャル | ルミナス社が用いている呼称 |
| フォトRF | 光と高周波を組み合わせた方式の呼称 |
| ステラM22 / M22 | ルミナス社の製品名 |
| ライムライト | キュテラ社の照射口(ハンドピース)の名前 |
| ルメッカ | インモード社の製品名 |
| BBL | サイトン社の製品名 |
つまり「フォトフェイシャル」も「ライムライト」も、大きく見ればどれもIPL光治療です。探している施術が見つからないのではなく、名前が違うだけということが起こります。
キレイパスで販売中のIPL光治療のチケットを、メニュー名の書き方で分類しました。
| メニュー名の書き方 | 掲載チケットの構成比 |
|---|---|
| 総称(IPL光治療など)と機器名の併記 | 82.1% |
| 総称のみ | 13.2% |
| 機器名のみ | 4.7% |
8割以上は「IPL光治療(セレックV)」のように、総称と機器名を並べた形で書かれています。括弧の外を見れば同じIPL光治療だと分かる書き方です。
一方で、括弧の中に入る機器名は20種類を超えます。掲載されているものだけでも、セレックV、ライムライト、カロンS、エクシライト、ソラリ、ノーリス、M22、ルメッカ、BBLなどが登場します。
同じIPL光治療でも、括弧の中がクリニックごとに違うため、別の施術に見えてしまうわけです。機器名だけで書かれているメニューも一部あるため、「IPL」の文字がなくても機器名から判断できる場合があります。
なお、フォトフェイシャルについてはフォトフェイシャルの解説記事、フォトRFについてはフォトRFの解説記事、ステラM22についてはステラM22の解説記事で、それぞれ詳しく整理しています。
IPL光治療は、幅を持った光をまとめて肌に照射する方法です。レーザーが1つの波長だけを使うのに対し、IPLは複数の波長を含んだ光を一度に当てます。
この違いは施術の選び方に直結します。輪郭のはっきりした濃いシミを一点だけ狙う場合は、光を集中させられるレーザーのほうが向いています。反対に、顔全体に散らばった淡い色ムラや赤みをまとめて整えたい場合は、面で照射できるIPLが選ばれやすくなります。どちらが優れているというより、悩みの広がり方によって使い分けられる関係です。
照射する光の波長は、機器に取り付けるフィルタを差し替えることで変えられます。ステラM22の公式の機器情報には、400〜1200nmの光を発生させると記載されています。そこから515nmから755nmまでの複数のフィルタで、波長域を選ぶ仕組みです。
多くの機器では照射口に冷却装置が備えられており、ステラM22やXeo SAシステムの公式情報にも、肌の表面を冷やしながら光を当てる構造が記載されています。
ここは調べても出てきにくい部分ですが、施術を選ぶときに知っておくと役に立ちます。国が医療機器としてどう登録しているかと、学会がどう評価しているかを順に見ていきます。
IPLの機器は、国内で医療機器として登録されています。ただし登録されている内容は、美容の場面で見かける説明とはかなり違う言葉で書かれています。
| 機器 | 区分 | 一般的名称 | 登録上の使用目的 |
|---|---|---|---|
| ステラM22 IPLモデル | 承認 | キセノン光線治療器 | 温熱効果による血流改善、疼痛・炎症の緩解 |
| オプティマス ルメッカ | 認証 | キセノン光線治療器 | 温熱効果による血流改善、疼痛又は炎症の緩解 |
国内で医療機器として登録される道筋は2つあり、国が直接審査する「承認」と、国が指定した民間の機関が審査する「認証」に分かれます。上の2機種は同じ「キセノン光線治療器」ですが、通った道筋が違います。
そしてどちらの使用目的にも、シミやそばかすの改善は書かれていません。シミや赤みを目的とした照射は、登録上の使用目的とは異なる使い方にあたり、自由診療として行われています。
医療広告ガイドラインは、承認・認証を受けた目的や使い方と違う使い方をする場合に、次の5点をあわせて示すよう求めています。
同じ機器でも、国によって登録されている適応が違うという点は押さえておくとよいでしょう。
登録上の扱いとは別に、学会の診療指針は光治療の有効性を評価しています。ただし同じ「シミ」でも、種類によって評価が分かれます。
日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会がまとめた「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」では、次のように整理されています。
| 対象 | 学会の推奨 | 推奨文の要旨 |
|---|---|---|
| 日光黒子(老人性色素斑) | 治療を希望する患者には、強く推奨する | レーザー、光治療は有効である |
| 肝斑 | 条件によっては、行うことを弱く提案する | 保存的治療で十分な効果が得られない場合の併用療法として |
日光黒子は、主に40歳以上で顔や手の甲などに加齢とともに出てくる茶色いシミです。指針では、輪郭がはっきりせず斑のように広がる色素沈着と説明されており、一般に「シミ」と呼ばれるものの多くがこれにあたります。推奨文は「日光黒子(老人性色素斑)の治療にレーザー、光治療は有効である。ただし、長期にわたる検討や他の治療法との比較が十分ではない」とされています。
同じシミでも、肝斑については扱いが変わります。指針の推奨文は「レーザーやIPL照射は、遮光、美白剤外用や内服などの保存的治療を行って、十分な効果の得られない場合に併用療法として行っても良い」です。あわせて、施術者が機器の特性に習熟し、十分な説明と同意のもとに治療を行う必要があるとしています。
つまり肝斑では、まず遮光や塗り薬・内服を試すことが先に置かれています。頬に左右対称のシミがある場合は肝斑の可能性があるため、機器を選ぶ前に診断を受けるのが確実です。
なお、この指針が検討対象としているのは日光黒子と肝斑の2つで、そばかす(雀卵斑)についての推奨は示されていません。
IPL光治療が候補に挙がりやすいのは、色ムラや赤みが顔全体に広がっているケースです。ここからは悩みの特徴ごとに、候補になる方法と確認しておきたい点を整理します。
| 悩みの特徴 | 候補 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 加齢とともに出てきた褐色のシミ | IPL光治療 | 指針で強く推奨の評価 | 複数回の照射が必要 |
| 頬に左右対称に広がるしみ | まず保存的治療 | 指針では併用療法の位置づけ | 診断を受けるのが先 |
| 赤み・小さな血管の目立ち | IPL光治療 | 赤い色にも反応する光 | 酒さは診断が先 |
| 毛穴・肌のざらつき | IPL光治療ほか | 熱による肌質の変化が目的 | 単独では変化が穏やか |
ここに挙げたのはあくまで候補の整理であり、最終的にどの方法が適しているかは診察を受けて判断する必要があります。
日光黒子にあたる可能性があり、IPL光治療が候補になりやすい悩みです。学会の指針でも日光黒子への光治療は強く推奨されています。ただし1回で完了する施術ではなく、間隔をあけて複数回受けることを前提に考えておく必要があります。
そばかすが目的の場合も、IPL光治療を扱うクリニックは多く見られます。ただし学会の指針が評価しているのは日光黒子と肝斑で、そばかすについては取り上げられていません。シミの種類によって適した方法が変わるため、まず診断を受けてから決めることになります。
初めて受ける場合は、痛みや照射後の見た目の変化について、出力の設定や冷却の方法をカウンセリングで確認しておくとよいでしょう。
この特徴が当てはまる場合は肝斑の可能性があります。肝斑は光老化を背景に、良くなったり悪くなったりを繰り返す色素の異常で、指針でも難治性とされています。指針には、高い出力のレーザー照射によって強い炎症が起こり肝斑が悪化すると報告されている旨が記されており、自己判断で光治療を選ぶのは避けてください。
まず診断を受け、肝斑と判断された場合は遮光や塗り薬・内服が先に検討されます。光治療を組み合わせる場合も、保存的治療で効果が不十分なときの併用として位置づけられます。別の選択肢としてはレーザートーニングなどが検討されることがあります。
IPLは幅のある光を使うため、赤い色にも反応します。頬の赤みや小さな血管の目立ちが気になる場合も候補になります。ただし酒さなど診断が必要な状態もあるため、まず何が起きているのかを診てもらうところから始めるのが確実です。
照射による熱が肌に加わることで、肌質の変化を目的として用いられることがあります。ただしシミや赤みへの反応と比べると変化は穏やかで、他の機器と組み合わせて提案されることもあります。敏感肌や赤みが出やすい方は、施術の可否や出力の設定を医師に相談してください。
キレイパスでIPL光治療のチケットを購入した方(直近2年)の年代別構成比です。
20代以下が半数近くを占め、30代と合わせると81.1%になります。日光黒子は主に40歳以上で出てくるとされますが、購入者は若い層に寄っています。
| 年代 | 口コミ平均点(5点満点) |
|---|---|
| 20代以下 | 4.4 |
| 30代 | 4.3 |
| 40代 | 4.3 |
| 50代以上 | 4.3 |
施術後に投稿された口コミの平均点を年代別に見ると、いずれの年代も4.3以上で、年代によって評価が大きく変わる傾向は見られませんでした。年代を問わず一定の評価を得ていると読み取れます。
※キレイパス掲載チケットの購入・口コミデータをもとに集計(自社データ)。評価はクリニックでの体験に対するもので、施術の効果を保証するものではありません。
本データは利用実態の参考情報であり、購入を推奨する趣旨のものではありません。
キレイパスで販売中のIPL光治療のチケットの表示価格(税込)を集計しました。多くが8,800円から30,800円の範囲に収まります(2026年8月28日時点・下位10%〜上位10%の範囲)。
同じIPL光治療でも価格に幅があるのは、1枚のチケットに含まれている内容がメニューごとに違うためです。
料金に含まれる範囲はチケットごとに異なります。初診料・再診料が別途かかる場合や、照射後に処方される外用薬が別料金になる場合があります。購入前に、含まれる部位・周数・回数・有効期限と、チケット代以外にかかる費用を確認しておくと比較しやすくなります。
IPL光治療のチケットは、料金・照射範囲・周数・別途費用の有無を並べて比較できます。
IPL光治療は、数週間の間隔をあけて複数回受ける進め方を案内するクリニックがあります。1回の照射で完了する形では案内されていないことが多く、回数を前提に検討することになります。
必要な回数は、シミの種類・濃さ・肌の状態・照射条件によって変わります。同じ機器でも出力の設定やフィルタの選び方で反応が変わるため、回数の見通しは診察で確認するのが確実です。
照射後の経過については、公式の機器情報に記載があります。褐色の点やほくろに照射した場合、治療後の数日間はその部分の色がわずかに濃くなり、数日過ぎると剥がれ落ちるとされています。
この「一時的に濃くなる」変化を知らずに受けると悪化したと感じることがあるため、あらかじめ経過の説明を受けておいてください。
公式の機器情報では、次のような場合に医師が施術の可否を慎重に判断することとされています。
肝斑がある場合も慎重な判断が必要です。学会の指針では保存的治療が優先され、光治療は効果が不十分なときの併用として位置づけられています。
照射後は赤みやむくみが出ることがあります。かさぶたや水ぶくれができた場合、治るまで5日から10日かかることがあると記載されています。紫斑が5日から15日ほど現れ、薄くなる過程で茶色い変色が見られることもありますが、これも1か月から3か月で薄くなるとされています。
経過には個人差があり、出力の設定や照射する範囲、もともとの肌の状態によっても変わります。
照射後に起こりうる反応について、公式の機器情報には次のように記載されています。
これらの多くは出力設定と冷却の管理に関わるものとして説明されています。照射前にテスト照射を行って肌の反応を確認し、そのうえで設定を調整することが求められています。
承認を受けた機器の一例として、ステラM22の公式の機器情報では次の場合に使用しないこととされています。
受けられない範囲は機器によって異なります。IPLの機器は複数のメーカーから出ており、登録上の区分も承認と認証に分かれます。実際に受けられるかどうかは、使用する機器の公式情報と診察で判断されます。持病や服用中の薬がある場合は、診察時に申し出てください。
なお、照射する光から目を守るため、施術中は患者・施術者ともに保護眼鏡の着用が求められています。
頬に左右対称のシミがある場合は肝斑の可能性があります。機器の名前で決める前に、シミの種類を診断してもらうところから始めてください。
効果には個人差があり、必ず効果を保証するものではありません。本記事で紹介した使用目的・禁忌・注意事項は、記載した機器の公式情報に基づくものであり、機器によって内容は異なります。実際に受けられるかどうかは診察で判断されます。美容目的の施術は自由診療のため公的医療保険は適用されません。利用データは2026年8月28日時点の集計であり、今後変動する可能性があります。
編集:キレイパス編集部
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