ニキビ跡や毛穴のケアを探していると出てくるキュアジェットについて、針を使わないという説明だけでは中身がつかみにくいのではないでしょうか。
キュアジェットという名前だけでは、どんな施術かは決まりません。キュアジェットは薬剤を肌に入れるための機器であり、何を入れるかによって目的も料金も変わります。同じキュアジェットでも、クリニックが使う薬剤が違えば別の施術になります。
この記事では、キュアジェットが何をしている機器なのか、どうやって針なしで薬剤を届けているのか、国内での扱いと料金の決まり方を、メーカーの公式情報と公表されている研究をもとに整理します。
キュアジェットは、針を使わずに薬剤を肌へ入れる医療機器です。機器そのものが肌を変えるのではなく、機器は入れ方を担当し、目的は入れる薬剤のほうで決まります。
| 決めているもの | 具体的な内容 |
|---|---|
| 機器(キュアジェット)が担うこと | 針を使わずに薬剤を届ける。ノズルの太さと当て方で入り方を変える |
| 薬剤が担うこと | 何を目的とする施術になるか。ニキビ跡向け、ハリ向けなど |
| 当て方(モード) | 肌に触れて入れるか、離して当てるか |
| 料金の決まり方 | 薬剤の種類と量、範囲や個数、モードの組み合わせ |
そのため、メニュー名に「キュアジェット」とだけ書かれていても、それだけでは何をする施術かは判断できません。キレイパスの掲載でも、機器名だけでなく薬剤名がセットで示されています。カウンセリングでは、どの薬剤をどれだけ使うのかを確認するのが確実です。
クリニックで使われる薬剤には、ジュベルックやレニスナのようなポリ乳酸(乳酸を鎖状につないだ成分)を含む製剤、リジュランのようなポリヌクレオチド(サケ由来のDNA断片を含む成分)製剤、ヒアルロン酸、ボツリヌストキシン製剤などがあります。それぞれ目的も持続の考え方も異なるため、薬剤側の情報も合わせて確認してください。
キュアジェットは韓国のBAZ BIOMEDIC社が開発した機器です。同社の公式サイトによると、この技術は同社の代表者でソウル大学航空宇宙工学部の教授が、宇宙ロケットの推進装置の研究から高密度のエネルギー伝達を医療機器に応用したものだと説明されています。
針を使わずに薬剤が肌へ入るのは、薬液そのものを細く速い噴流にして、その勢いで肌の表面を通り抜けさせているからです。同社はこの技術をMicroJetと呼び、公式サイトで次のように説明しています。
針で穴をあけて薬剤を押し込むのではなく、薬液が自分の勢いで肌に入っていくという考え方です。韓国での分類上の品目名が「噴射式注射器」で、その定義が薬液を磁気力やバネなどで微細に噴射し、皮膚を通過させて注射する器具とされているのも、この仕組みと対応しています。
同社の公式サイトには、キュアジェットの仕様が次のように記載されています。
| 項目 | 公式仕様の記載 |
|---|---|
| ノズルの径 | 0.15〜0.25mm(150/200/250μm) |
| 1秒あたりの射出回数 | 1〜20回 |
| 1回あたりの注入量 | 0.1〜1.0μL(1μLは1mLの1000分の1) |
| 届く範囲 | 角質層(肌のいちばん外側の層)から皮下脂肪まで(最大3mmの深さ) |
ノズルの穴の直径は0.15〜0.25mmです。メーカーは0.15mmのノズルについて、注射針より細いと説明しています。入れる深さと量を調整できる点が特徴として挙げられています。どの設定にするかは医師が決めるため、同じ機器でも施術の中身は変わります。
キュアジェットには、肌に触れて当てる方法と、離して当てる方法があります。メーカーの説明では、この2つは届く深さが違うと整理されています。
同社の英語版サイトでは、届ける深さを表皮・真皮・皮下の3段階で設定できるとも説明されています。どこまで届かせるかは、目的とする深さによって医師が選びます。同じ薬剤でも、当て方と設定が変われば入る深さが変わります。
クリニックの説明でよく使われるのがマイクロサブシジョンという言葉です。ニキビ跡のクレーターは、皮膚の下で組織がくっついて硬くなり、表面が内側に引っ張られてへこんで見えている状態と説明されます。
サブシジョンは、このくっついた部分を針で切り離す方法です。キュアジェットについては、高速で飛ばした薬液そのものがこの部分へ働きかけると説明するクリニックがあります。これはメーカーの公式情報にある用語ではなく、クリニック側の呼び名です。針を刺さないぶん負担は軽いものの、行っているのは組織への物理的な働きかけと薬剤の注入で、肌の表面をなでるだけの施術ではありません。
針を使う注入とキュアジェットを比べた研究が、専門家の審査を経て掲載される学術誌に報告されています。
韓国の10名を対象に、顔の片側にポリヌクレオチド製剤を針で注入し、反対側を同じ製剤でキュアジェットを使って注入した比較です。医師が全体の改善度を点数で評価した結果は、キュアジェット側が3.85、針側が3.6でした。毛穴としわの評価にも差が出ています。痛みを本人が採点した結果は、キュアジェット側が2.9、針側が5.4でした。望ましくない症状としては、全員に軽い一時的な赤みが出ており、針で注入した側では2名に狭い範囲の内出血が見られています。
ただし、この研究には論文自身が挙げている限界が3点あります。参加者が10名と少なく結果を広く当てはめにくいこと、肌のタイプによる差を確かめられていないこと、観察期間が2週間と短いことです。使われた薬剤もポリヌクレオチド製剤で、キレイパスの掲載で使われているポリ乳酸系の製剤とは別のものです。参考として読む範囲にとどめてください。
キュアジェットは入れる薬剤で目的が変わるため、悩みごとに向き不向きを見ていきます。
キュアジェットが最も多く案内されるのがこの悩みです。皮膚の下でくっついた組織に働きかけながら薬剤を入れるという考え方が、へこみのあるニキビ跡と目的が合うためです。
ただし、ニキビ跡といっても赤み・色素沈着・へこみで対処が変わります。へこみが主なのか、色の変化が主なのかによって候補が変わるため、診察で自分のニキビ跡がどの型かを確認してから決めると迷いにくくなります。
肌に近づけずに当てる方法を選べるため、浅いところへの働きかけを目的とした相談でも候補になります。この場合は、肌のハリのもとになるコラーゲンをつくる働きに関わるとされる製剤が選ばれることが多く、複数回にわけて進める案内をするクリニックがあります。
ヒアルロン酸やポリ乳酸を含む製剤を、浅いところへ広く入れる目的で使われることがあります。ボツリヌストキシン製剤を薄く広く入れる使い方を案内するクリニックもありますが、これは製剤の承認された使い方とは違う場合があるため、内容を確認してください。
針を刺さないことがそのまま理由になるケースです。針での注入で内出血が出やすかった方が、別の入れ方として相談することがあります。
ただし、針を使わないことと肌への負担がないことは別です。赤みや点状出血(皮膚の表面に細かい出血の点が出る状態)は起こりえます。
| 悩みの特徴 | 候補 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ニキビ跡のへこみが主 | キュアジェット/サブシジョン | 皮膚の下のくっつきに働きかける | 跡の型によって候補が変わる |
| 毛穴・肌のざらつきが主 | キュアジェット/ダーマペン | 浅い層へ薬剤を届ける方法 | 複数回に分ける案内が多い |
| ハリ不足・小じわが主 | キュアジェット/水光注射 | 薬剤の量と深さを決めやすい | 薬剤の選択で内容が変わる |
| 針を避けたい | キュアジェット | 針を刺さずに薬剤を入れる方法 | 赤みや点状出血は起こりうる |
水光注射は、細い針で薬剤を肌に注入する施術です。ここに挙げたのは候補の整理であって、診断ではありません。肌の状態や跡の型によって適した方法は変わるため、最終的な判断は診察が必要です。
キュアジェットの料金は、機器ではなく施術の中身で決まります。キレイパスでの取り扱いは限られており、価格帯としてお示しできる件数がそろっていないため、ここでは金額を左右する要素と、確認しておきたい点を整理します。
料金を比べるときは、薬剤名・使用量・対象範囲(または個数)の3つをそろえて見ると差がわかりやすくなります。「キュアジェット◯◯円」という表示だけでは、何が含まれるかが読み取れないためです。
表示価格に何が含まれるかはクリニックによって異なります。初診料・再診料、麻酔代、施術後の薬代などが別途必要になる場合があります。購入前に、薬剤・範囲・回数・別途費用の有無を確認しておくと、総額の見通しが立てやすくなります。
キュアジェットのチケットは、薬剤・範囲・別途費用の有無を並べて比較できます。
針を使わない施術ですが、薬剤を肌の中に入れることに変わりはありません。確認しておきたい点を整理します。
赤みやむくみは数時間から数日程度で落ち着くと案内されることが多く、点状出血が数日残る場合があります。
出方には個人差があり、使う薬剤・量・範囲・設定によっても変わります。予定がある場合は、事前に医師へ伝えて内容を調整してもらってください。
薬剤を入れる施術のため、リスクは機器側だけでなく使用する薬剤からも生じます。どの薬剤を使うのかを確認し、その薬剤の副作用についても説明を受けてください。施術後に気になる症状が続く場合は、自己判断せず施術を受けたクリニックに相談してください。
クリニックによっては、次のような方は施術を受けられない、または医師の判断が必要とされています。判断は院ごとに異なるため、診察時に必ず確認してください。
キュアジェットを使った施術は、自由診療としてクリニックで提供されています。ただし機器そのものは国内で承認を受けていないため、医療広告のルール(医療広告ガイドライン)では、次の5点をあわせて示すこととされています。
機器だけでなく、入れる薬剤の側も確認が必要です。この記事で挙げたジュベルック・レニスナ・リジュランは、いずれも国内で承認された医薬品ではありません。
また、ボツリヌストキシン製剤のように国内で承認のある薬剤でも、承認された効果や使い方と違う使われ方をした場合は、原則として救済制度の対象になりません。キュアジェットを使った施術は公的医療保険の対象外で、自由診療として行われます。
機器と薬剤を分けて考えると、メニューを比べやすくなります。妊娠中の方や持病・服用中の薬がある方は、使用する薬剤とあわせて診察時に確認してください。
効果には個人差があり、必ず効果を保証するものではありません。本記事で紹介した仕様・分類は、製造元が公表している情報に基づくものであり、クリニックが使用する薬剤や設定によって内容は異なります。実際に受けられるかどうかは診察で判断されます。美容目的の施術は自由診療のため公的医療保険は適用されません。
編集:キレイパス編集部
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