たるみの治療を調べていると、ザーフという機器名と一緒に「何ショット」という数字が必ず出てくるのではないでしょうか。ところがこのショット数、クリニックによって意味するものが同じではありません。
キレイパスの掲載メニューを見ると、ショット数が増えるほど当てる部位も広がっていく組み方が中心です。つまりショット数だけを並べても、料金の高い安いは判断できません。
この記事では、ショット数の読み方を整理したうえで、料金の目安、国ごとに違う扱い、ダウンタイムや受けられない場合までを順に見ていきます。
ザーフのメニューには、たいてい「何ショット」という数字が付いています。ただしショット数だけを並べても、内容の多い少ないは分かりません。同じ数字でも、当てる範囲がメニューによって違うからです。
2026年8月31日時点でキレイパスに掲載されている、ショット数が書かれたザーフのメニューを、当てる範囲ごとに並べると次のようになります。
| 当てる範囲 | よく設定されているショット数 |
|---|---|
| 両頬 | 200ショット |
| 両頬+あご下(または全顔) | 300ショット |
| 全顔+あご下 | 400ショット |
| 全顔+あご下+首 | 600ショット |
| 全顔のみ | 100〜900ショットまで幅がある |
並べてみると、範囲が広がるほど、設定されているショット数も増えていきます。ショット数は「どれだけ強く当てるか」ではなく、まず「どこまで当てるか」を表している数字だと考えると読み取りやすくなります。
例外は全顔だけを対象にしたメニューで、こちらは100から900まで幅があります。範囲を固定してショット数だけを変える構成なので、この場合は同じ範囲に対して照射量を選ぶことになります。
掲載メニューには、600ショットが3通り出てきます。全顔だけに600ショット、全顔+あご下に600ショット、全顔+あご下+首に600ショットです。いずれも1回の合計が600ショットです。
つまり同じ600ショットでも、首まで含むメニューでは、その分だけ顔に当たるショット数は少なくなります。範囲を広げたぶんがそのまま上乗せされるわけではない、ということです。
メニューを比べるときは、ショット数より先に範囲の表記を見ると迷いにくくなります。希望する部位が対象に入っていなければ、ショット数が多くても目的には届きません。
ザーフのハンドピースの先には、チップと呼ばれる交換部品を取り付けます。米国FDAへの届出資料では、対応するチップは全部で12種類あるとされています。このうち当てる面の大きさは4種類で、メーカーが公表している仕様は次のとおりです。
| チップ | 当てる面の大きさ | メーカーが示す対応範囲 | 打てるショット数 |
|---|---|---|---|
| EFFECTOR E60 | 20×30mm | 広く厚い部位 | 600 |
| EFFECTOR E40 | 20×20mm | 全体をカバー | 600 |
| XERF i10 | 10×10mm | 小さく湾曲した部位 | 300 |
| XERF i05 | 5×10mm | 狭く薄い部位 | 400 |
最も大きいE60と最も小さいi05では、1ショットで当たる面積がおよそ12倍違います。ショット数が同じでも、どのチップを使うかで実際に当たる面積は変わるということです。
もう一点、チップごとに打てるショット数が決まっていることにも注目してください。掲載メニューに並ぶ100から900という数字は、この単位と重なるものが多く見られます。メニューの表記にチップの種類まで書かれていることはほとんどないため、気になる場合はカウンセリングで確認する項目になります。
なお、i10とi05はメーカーが2026年8月に発売した新しいチップです。取り扱いがあるかどうかはクリニックによって異なります。
ザーフ(XERF)は、韓国のルートロニック(サイノシュア・ルートロニック)が製造している高周波(RF)の機器です。皮膚に高周波を流して組織を温める仕組みで、分類としてはモノポーラRFに当たります。モノポーラとは、機器から出た電流が体を通って戻ってくる道すじを作る方式のことです。
一般的なモノポーラRFの機器は1つの周波数を使いますが、ザーフは6.78MHzと2MHzの2つを扱います。メーカーの資料では、浅いところから深いところまでを3段階(Shallow・Middle・Deep)で設定できると説明されています。
出力は米国FDAへの届出資料に記載があり、6.78MHzで最大400W、2MHzで最大300Wです。1ショットあたりのエネルギーは、6.78MHzが1〜250J、2MHzが1〜120Jの範囲で設定できるとされています(Jはジュール=熱の量の単位)。冷却についてはICDと呼ばれる仕組みを備えていて、施術の強さに応じて3段階で肌の表面の温度が上がりすぎないようにするとメーカーは説明しています。
電流が戻る道すじを作るため、ザーフでは背中にリターンパッドと呼ばれる電極を貼ります。体に電流を流す仕組みなので、体内に金属が入っている場合の扱いが重要になります。詳しくは「受けられない場合」で触れます。
ザーフは複数の国で届出や認証を受けていますが、認められている内容は国ごとに違います。ここは混同されやすいところです。
| 国・地域 | 状況 | 示されている使用目的 |
|---|---|---|
| 日本 | 医療機器としての承認なし | ― |
| 米国 | 2025年8月に510(k)クリアランス(K251327) | 電気で組織を固めて出血を止めること(電気凝固と止血) |
| 欧州 | 2026年7月にCE MDR(欧州の医療機器規則)の認証を取得したとメーカーが発表 | 顔と首のたるみ改善を含む美容目的 |
| 韓国 | 2024年1月に食品医薬品安全処(韓国の規制当局)の許可を取得したと報じられている | 区分は「汎用電気手術器」。許可書の原文は公開されておらず未確認 |
510(k)クリアランスとは、すでに売られている機器と同じようなものだと示して、米国で販売できるようにするFDAへの届出制度です。ザーフの届出では、比較の対象としてサーマクールFLXが挙げられており、使いみちはサーマクールFLXと同じだと明記されています。またこの届出では、臨床試験の結果は提出されていません。
韓国の区分は、メーカーの韓国公式サイトで確認できます。サイトの下部には広告審議の表示として「汎用電気手術器」という区分名が出ており、米国の届出と同じ、電気で切ったり止血したりする機器の系統です。ただし許可の書類そのものは公開されていないため、韓国で認められている使いみちの原文までは確認できていません。
一方、欧州のCE MDRについてメーカーは、顔と首のたるみ改善を含む美容目的で認証を取得したと発表しています。たるみの改善が使いみちに含まれると明示されているのは、いまのところ欧州の発表だけです。「FDAで認められている」といった説明を見たときは、どの国の、どの内容を指しているのかを確かめておくと誤解が避けられます。
ザーフを機器名で明示した研究には、次のようなものがあります。
1つ目の研究では、メーカーが機器と消耗品、研究費を提供したことが開示されています。また著者自身が、比べるためのグループ(対照群)を置いていないこと、評価する人が結果を知らない状態になっていないこと、観察期間が90日にとどまることを限界として挙げています。対照群を置いた比較試験の結果は、いまのところ公表されているものが見当たりません。効果の見込みについては、こうした情報の状況も含めて医師に確認しておくと判断しやすくなります。
キレイパスに掲載されているザーフのメニューは、対象部位として頬、あご下、フェイスライン、口横、首を挙げているものが中心です。ここでは掲載メニューの対象部位をもとに、悩み別の見方を整理します。
| 悩みの特徴 | 候補 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| フェイスラインのもたつき | あご下を含むメニュー | 対象部位にあご下が入る設定 | 皮膚のゆるみか脂肪かで提案が変わる |
| 頬全体のたるみ | 全顔のメニュー | 両頬のみだと範囲が足りない場合がある | 骨格や脂肪の位置で見え方が変わる |
| 首のしわ・たるみ | 首を含むメニュー | 首は対象外の設定も多い | 皮膚が薄く設定が変わることがある |
| 口元・口横だけが気になる | 口横を単独で扱うメニュー | 範囲が狭いぶん価格帯も下がる | 部分的な照射で全体の見え方が変わるか |
| 目まわりの小じわ | 小さいチップを扱うクリニック | 狭い部位向けのチップが必要 | 取り扱いはクリニックにより異なる |
| しみ・くすみが主な悩み | 別の方法が候補 | 高周波が対象とする範囲ではない | 色に関する悩みは診察で相談する |
どの範囲が適しているかは肌や骨格の状態によって変わるため、最終的な判断は診察が必要です。
はじめて美容医療を受ける方は、ショット数の多いメニューから始めなくても構いません。掲載されているメニューには100ショットや200ショットといった少ない設定もあり、痛みや当日の見え方を確かめてから次を考えるという選び方もできます。一方で、ショット数が少ないメニューは対象が両頬までということもあるため、希望する部位が含まれているかどうかを先に確認してください。
肌が敏感で赤みが出やすい方、レーザーやRFの施術後に色素沈着を起こしたことがある方は、施術の可否や出力の設定を医師に相談したうえで判断することになります。
2026年8月31日時点でキレイパスに掲載されているザーフのメニュー(他の施術との組み合わせを除く)の価格帯は、上下1割を除いた範囲で税込44,800〜174,200円です。最も安いメニューは29,800円、最も高いメニューは189,800円で、ショット数と部位の組み合わせによって幅があります。
ショット数が明記されているメニューについて、ショット数ごとの価格帯は次のとおりです。
| ショット数 | 価格帯(税込) | 掲載されている部位の例 |
|---|---|---|
| 100ショット | 29,800円 | 全顔 |
| 200ショット | 44,800〜69,300円 | 両頬/全顔 |
| 300ショット | 45,000〜79,800円 | 全顔/両頬+あご下 |
| 400ショット | 69,800〜82,000円 | 全顔/全顔+あご下 |
| 600ショット | 79,800〜139,800円 | 全顔/全顔+あご下/全顔+あご下+首 |
| 900ショット | 189,800円 | 全顔 |
ここで注意したいのが、ショット数と価格が比例していないことです。79,800円という同じ価格で、300ショットのメニューと600ショットのメニューが並んでいます。前者は全顔に300ショット、後者は全顔+あご下に600ショットで、当てる範囲が違います。価格を見るときも、ショット数と範囲の両方を一組で見る必要があります。
なお、エレクトロポレーション(電気の力で皮膚に薬剤を浸透させる施術)やボツリヌストキシン注射、オンダリフトと組み合わせたメニューも掲載されています。組み合わせのメニューは、ザーフ単独の価格として比べられません。
掲載されている価格に何が含まれるかはメニューごとに異なります。初診料や再診料、麻酔代、施術後の外用薬などが別途必要になる場合があるため、購入前にチケットの記載内容を確認してください。
メーカーはザーフを麻酔なしで施術できる設計としており、前述の多施設研究でも麻酔を使わずに実施されています。ただし痛みの感じ方には個人差があるため、麻酔を追加する場合の費用も確認しておくと安心です。
ザーフは皮膚を切ったり針を刺したりしない施術です。上で挙げた多施設研究では、報告された症状は赤みやむくみ(紅斑・浮腫)といった軽くて一時的なものにとどまり、長く続く症状は認められなかったとされています。痛みについては、麻酔を使わない状態で10段階中の平均4.2と報告されています。
ただしダウンタイムの出方は、出力の設定、ショット数、施術部位、その日の肌の状態によって変わります。同じメニューでも一律に何時間で戻ると言えるものではありません。
医療機関が公開している案内では、主なものとして施術後の赤み、熱感、腫れが挙げられています。いずれも一時的なものとして説明されていることが多い一方で、高周波で組織を温める施術である以上、設定によっては熱傷が生じる可能性は否定できません。施術後に強い痛みや水ぶくれが続く場合は、自己判断せず施術を受けたクリニックに連絡してください。
ザーフは背中にリターンパッドを貼って電流を流す機器のため、電気の流れに関わる条件が問題になります。医療機関が公開している案内では、次のような場合は施術を受けられないとされています。
過去に受けた施術と体内に入っているものは、カウンセリングの時点で伝えておいてください。
医療機関が公開している案内では、次のような場合は慎重な判断が必要とされています。
また、たるみの原因が皮膚のゆるみではなく脂肪の量や骨格による場合は、高周波での引き締めでは目的に届かないことがあります。しみやくすみなど色に関する悩みも、高周波が対象とする範囲ではありません。何を優先したいのかを整理したうえで、診察で提案を受けるのが近道です。
ザーフは2026年8月時点で、日本国内では医薬品医療機器等法上の承認を受けていません。国内で使用する場合は、医師が自らの責任で個人輸入した機器を用いることになり、施術はすべて自由診療です。費用は全額自己負担となり、公的医療保険は使えません。
ザーフを使った施術は、自由診療としてクリニックで提供されています。ただし機器そのものは国内で承認を受けていないため、医療広告のルール(医療広告ガイドライン)では、次の5点をあわせて示すこととされています。
メニュー名だけでは読み取れない条件がいくつかあるため、購入前や診察時に確認しておくと比較しやすくなります。
キレイパスでは、購入前に料金・含まれる内容・別途費用の有無・口コミを確認できます。含まれる内容がそろっていないメニューを金額だけで比べると判断を誤りやすいため、まず内容をそろえてから比べてください。
ショット数と範囲を一組で見ることが、ザーフのメニューを選ぶうえでの出発点になります。体内に金属がある方やペースメーカーを使用している方は、受けられるかどうかが変わるため、事前に伝えておいてください。気になる点は診察のなかで相談してください。
効果には個人差があり、必ず効果を保証するものではありません。本記事で紹介した仕様・届出内容は、公的機関やメーカーが公表している情報に基づくものであり、クリニックが使用する設定やチップによって内容は異なります。実際に受けられるかどうかは診察で判断されます。美容目的の施術は自由診療のため公的医療保険は適用されません。掲載データは2026年8月31日時点の集計であり、今後変動する可能性があります。
編集:キレイパス編集部
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