ノーリスを調べていると、シミにも赤みにも毛穴にも使えると書かれていて、結局どこまで使える機器なのか分かりにくいのではないでしょうか。
ノーリス(Nordlys)は、IPLと呼ばれる光を肌に当てる光治療の機器です。国が認めているノーリスの使いみちは、浅いところにあるシミなどの色の変化、細い血管による赤み、長く続く減毛の3つです。クリニックの案内によく並ぶ「毛穴」「キメ」「ハリ」は、この3つには入っていません。
クリニックの案内に、国が認めている範囲まで詳しく書かれていることはあまり多くありません。この記事では、メーカーの公式資料をもとに、認められている使い方、悩みごとの選び方、料金の目安、受けられない可能性がある人までを順に紹介します。
ノーリスは、国の承認を受けた医療機器です。メーカーの公式資料には、使いみちとして次の3つが挙げられています。
| 使いみち | 承認上の正式な表現 | 治療間隔の目安 |
|---|---|---|
| 肌の浅いところにあるシミなどの色の変化 | 表在性皮膚良性色素性疾患の治療 | 1〜2か月おき |
| 肌の浅いところに広がった細い血管による赤み | 皮膚良性血管病変における表在性毛細血管拡張症状の改善 | 1か月おき |
| 長く続く減毛 | 長期的な減毛 | 顔4〜6週、体幹6〜8週、脚10〜12週 |
3つ目の減毛について、メーカーはIPLの機器として国内で初めて長期減毛の承認を取ったと説明しています。減毛に使う場合は条件も付いていて、講習を受けるなどして使い方や起こりうるトラブルの知識を身につけた医師が使うことになっています。
キレイパスに掲載されているノーリスのメニューは、全顔を中心とした美肌ケアです。減毛を目的としたメニューは扱っていないため、脱毛を考えている場合は脱毛の施術として掲載されているメニューから探すことになります。
もうひとつ知っておきたいのが、ノーリスは肌の浅いところにあるシミや赤みだけに使う機器と決められている点です。深いところにあるものには効果がないため、施術の前に医師がきちんと診断するよう公式資料に書かれています。見た目はシミでも深いところにあるものは対象外なので、まず診断を受けることになります。
同じ機器でも、国によって認められている範囲は違います。米国では2015年にFDA(米国の医薬品・医療機器の審査機関)の手続きを経ていて、酒さ(赤ら顔の一種)やニキビの炎症、老人性のシミ、血管腫など、日本より多くの項目が認められています。
米国の機種は、IPLとは別のレーザー(Nd:YAGレーザー)の照射パーツも取り付けられる構成で、その分の使いみち(脚の血管など)も含まれています。日本で承認されているのは、IPLの照射パーツだけの構成です(2026年9月時点)。
酒さやニキビは米国では認められていますが、日本では認められていません。海外の情報をもとにした説明を目にしたときは、日本で認められている内容と同じとは限らない点に注意してください。
医療広告ガイドラインでは、国が認めた使いみちと違う目的で機器を使う場合、次の5点をあわせて伝えることが求められています。ノーリスを毛穴やキメ、肌のハリのために受ける場合は、これにあたります。
ノーリスは、特殊なランプから出る幅の広い光のうち、シミや赤みの治療に使う範囲(530〜950ナノメートル)だけを取り出して肌に当てる機器です。
レーザーが1種類の光だけを使うのに対し、IPLはいくつもの種類の光をまとめて当てるのが特徴です。ノーリスは、治療に使わない光をカットする独自の技術(SWT)を組み合わせていて、エネルギーのムラが少ない光を肌に届けられるとメーカーは説明しています。
冷却については、誤解されやすい点がひとつあります。ノーリスの照射パーツには冷却水が流れていますが、これはランプの熱で機器が熱くなりすぎるのを防ぐためのもので、肌を冷やすためのものではありません。減毛に使う場合、公式資料は施術の前後や施術中に、冷やしたジェルや保冷剤で肌を冷やすよう求めています。
ノーリスはデンマークのEllipse社が開発した機器で、現在は米国のCandela社が製造し、日本ではシネロン・キャンデラ株式会社が販売の責任を持っています。「デンマーク製」と紹介されていることがありますが、今の製品を作っている会社は変わっています。
ノーリスは、本体に取り付ける照射パーツ(アプリケータ)を付け替えて使います。どの照射パーツを使うかで、当てる光の範囲と治療できる悩みが変わります。
7種類の照射パーツは、目的が同じもの同士で4つのグループに分けられ、同じグループ内では当てる面の形や大きさが違います。肌の色は6段階(I〜VI)で表され、数字が大きいほど色が濃い肌を指します。
| 照射パーツ | 主な目的 | 光の範囲 | メーカーが示す肌の色の目安 |
|---|---|---|---|
| PR530・PRS530 | シミ、赤み | 530〜750nm | 赤み:I〜III |
| VL555・VLS555 | シミ、赤み | 555〜950nm | 赤み:I〜IV |
| HR600・HRL600 | 減毛 | 600〜950nm | I〜IV |
| HRD645 | 減毛 | 645〜950nm | V〜VI |
シミの治療については、メーカーが示す設定に肌の色の指定はありません。
同じシミの相談でも、赤みが一緒にある場合は進め方が変わります。公式資料では、シミと赤みが同じ場所にある場合はシミの治療を先に行うよう勧めています。赤み向けの設定で先に当てると、表面のシミが強く反応してやけどになるおそれがあるためです。
赤みの治療には、肌の色による制限もあります。肌の色が濃い方(VまたはVI)には、赤みの治療に使わないことと決められています。赤みのもとになる血液の色素と、肌の色のもとになるメラニンが似た光を吸収するため、肌の色が濃いとやけどなどのリスクが高くなるという理由です。
カウンセリングでは、どの照射パーツを使う予定か、自分の肌の色でその設定が使えるかを聞いておくと、当日の説明が分かりやすくなります。
国の承認とは別に、皮膚科などの学会がまとめた診療の指針でも、光治療の効果が評価されています。ただし同じ「シミ」でも、種類によって評価が分かれます。
日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会による「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」では、次のように整理されています。
| シミの種類 | 学会の推奨 | 推奨文の要点 |
|---|---|---|
| 老人性のシミ(日光黒子) | 治療を希望する患者には、強く推奨する | レーザーや光治療は効果がある |
| 肝斑 | 条件によっては、行うことを弱く提案する | 紫外線対策や塗り薬・飲み薬で十分な効果が出ない場合に組み合わせて行う |
悩みの特徴ごとに、候補の選び方をまとめます。
| 悩みの特徴 | 候補 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 顔全体に薄いシミや色ムラ | ノーリス(シミ用) | 承認された使いみちにあたる | 何回か通う必要がある |
| 頬に左右対称のしみ | まず紫外線対策・塗り薬・飲み薬 | 学会指針ではほかの治療と組み合わせる位置づけ | 肝斑の部分には使えない |
| 赤みや細い血管が目立つ | ノーリス(赤み用) | 赤みの改善が承認された使いみち | 肌の色が濃い場合は使えない |
| 毛穴やキメも整えたい | 毛穴向けの施術 | ノーリスの承認された使いみちの外 | 目的ごとに機器が変わる |
最終的にどれが合っているかは、肌の状態を見たうえで判断する必要があるため、診察で相談してください。
顔全体に薄い色ムラが散らばっているケースは、ノーリスの承認された使いみちに近い相談です。学会の指針でも、老人性のシミにはレーザーや光治療が効果があるとされていますが、長い期間での検証やほかの治療法との比較はまだ十分ではないとも書かれています。
老人性のシミは、主に40歳以上で顔や手の甲などに年齢とともに出てくる茶色いシミです。1回で終わるものではなく、メーカーが示す治療間隔の目安は1〜2か月おきなので、通う期間と回数を含めて計画を立てることになります。
この場合は扱いが変わります。頬に左右対称に広がるしみは肝斑の可能性があり、公式資料では「肝斑の部分」に使ってはいけないと決められています。熱の刺激で肝斑が濃くなるリスクがあるためです。
学会の指針でも、肝斑にはまず紫外線対策や塗り薬・飲み薬を試し、それで十分な効果が出ない場合にレーザーや光治療を組み合わせてもよいという位置づけです。あわせて、施術する医師が機器の特徴をよく理解し、十分に説明して同意を得たうえで行う必要があるとされています。
シミの見た目だけで自己判断せず、診断を受けてから機器を選ぶのが確実です。肝斑の場合は、レーザートーニングのように別の方法が候補に挙がることもあります。
小鼻のまわりや頬の赤み、細い血管が浮いて見えるといった相談は、承認された使いみちのうち「細い血管による赤みの改善」にあたります。メーカーが示す治療間隔の目安は1か月おきで、シミの場合より短くなっています。
ただし、肌の色が濃い方には赤みの治療に使わないことになっています。また、照射パーツを肌に強く押し当てると血流が止まって光が届きにくくなるため、押し当てないよう指示されています。仕上がりの希望は、こうした設定の話とあわせて相談しておくとよいでしょう。
クリニックの案内では、毛穴やキメ、肌のハリまで一緒に挙げられていることがあります。これらはノーリスの承認された使いみちには入っていません。先ほど紹介した5点にあたる使い方になるため、目的と方法を確認したうえで判断することになります。
毛穴の開きやざらつきが主な悩みであれば、毛穴向けの施術を比べたほうが選びやすくなります。フォトフェイシャルと呼ばれる施術で使われる機器も含めて、目的から候補を並べて相談してみてください。
キレイパスで販売中のノーリスのメニューのうち、全顔に1回当てるだけのメニューを見ると、表示価格は12,500円から22,500円の範囲でした(税込・2026年9月1日時点)。ほかの施術とのセット、ほかの機器から選べるメニュー、回数セットは価格の考え方が変わるため、ここには含めていません。
施術時間は60分としているメニューが多く、予約の際はその前後の時間も見込んでおくと安心です。
同じ全顔1回でも価格に幅が出るのは、次のような条件が違うためです。
料金に含まれる内容はメニューによって違います。初診料や再診料、麻酔や薬の費用が別にかかる場合があるため、購入前にチケットの記載を確認してください。
ノーリスのチケットは、料金・回数・別にかかる費用の有無を並べて比べられます。決めきれない場合は、診察のなかで相談する進め方もあります。
必要な回数は肌の状態や設定によって変わるため、一律には決まりません。ただし1回で終わる施術としては説明されていない点は、どの目的でも同じです。治療の間隔の目安は目的ごとに違い、記事のはじめの表のとおりです。減毛については、何回か治療が必要なことと、効果は永久的なものではないことを施術前に説明するよう、公式資料に書かれています。
キレイパスでも、3回・6回をまとめたメニューが掲載されていることがあります。回数をまとめたメニューには利用期限が決められている場合があるため、期限内に通えるかを確認してから選ぶと無理がありません。
公式資料では、次にあてはまる場合は専門の医師の意見を聞いたうえで慎重に判断するよう求めています。
日焼けについても注意があります。日光や日焼けサロン、日焼けローションなど、どの方法でも日焼けをした場合は施術後に色が濃く残りやすくなるため、日焼けが落ち着くまで施術を数週間延ばすことになっています。
施術後の見た目の変化や落ち着くまでの期間は、出力の設定、当てた部位、肌の状態によって変わるため、一律の日数は示せません。
施術後は、少なくとも1か月は日差しを浴びないよう公式資料で求められています。肌の色が抜けたり濃くなったりするリスクを抑えるためです。日焼け止めの使い方や外出の予定との兼ね合いは、施術の前に確認しておくと計画が立てやすくなります。
公式資料に挙げられている副作用は、次のとおりです。
強すぎるエネルギーが肌の表面に当たると、水ぶくれや軽いやけどが起こることがあるとされています。肌の色のもとになるメラニンが光を吸収して熱が出るため、肌の色が濃いほどこの可能性が高くなります。施術の始めに試し打ちをして肌の反応を確認し、出力を調整することも公式資料に書かれています。
なお公式資料の臨床試験の結果では、シミの治療で報告された副作用は軽い赤みやむくみ、一時的な色素沈着で、おおむね軽く、許容できる程度だったとまとめられています。効果や安全性の感じ方には個人差があります。
公式資料で「使ってはいけない」とされているのは、次の場合です。
このほか、強い電磁波を出す医療機器の近くや、燃えやすい麻酔ガスがある環境で使わないことも決められています。
クリニックが公開している「受けられない方」の欄と、公式資料の内容は範囲が違います。キレイパスに掲載されているノーリスのチケットでは、妊娠中・授乳中・妊娠の可能性がある、光線過敏症、てんかんや光でけいれんを起こしやすい、心臓の病気、体調がよくない、お酒を飲んでいる、施術部位に金属プレートやシリコンが入っている、施術部位に感染症・傷・皮膚の病気がある、出血しやすい病気やケロイド体質といった項目が挙げられています。クリニックによっては、日焼けの予定、強い乾燥、未成年であること、日本語でのやり取りが難しいこと(付き添いがいれば可とする場合もあります)を挙げています。
どちらか一方だけを見ると、確認もれが出ます。 上で紹介した公式資料の内容と、購入するチケットの「受けられない方」の欄を両方確認し、あてはまるものがあれば診察で伝えてください。飲んでいる薬や過去に受けた治療は、自分から伝えないと医師には分からない情報です。
キレイパスでは、掲載されているノーリスのメニューを料金・回数・別にかかる費用の有無まで並べて比べられます。気になるメニューが見つかったら、カウンセリングで肌の状態と目的を相談してみてください。
効果には個人差があり、必ず効果を保証するものではありません。本記事で紹介した使いみち・治療間隔・使ってはいけないケース・副作用は、メーカー(製造販売元)が公開している公式資料に基づくものです。クリニックが使う設定や照射パーツによって内容は異なります。実際に受けられるかどうかは診察で判断されます。美容目的の施術は自由診療のため健康保険は使えません。掲載データは2026年9月1日時点の集計であり、今後変わる可能性があります。
編集:キレイパス編集部
コピーしました