ニキビ跡の凹凸を調べていてトライフィルプロにたどり着いた方は、料金を見比べようとした時点で手が止まったのではないでしょうか。同じ「トライフィルプロ」という名前でも、価格が4万円台のものから16万円台のものまで並んでいるからです。
理由ははっきりしています。トライフィルプロは薬剤を「どう入れるか」を担う機器で、何を目的にするか・いくらになるかは、中に入れる薬剤とその量で決まります。キレイパスに掲載されているメニューを見ると、すべてに薬剤の名前が併記されていました。
この記事では、機器が担う部分と薬剤が担う部分を切り分けたうえで、料金の決まり方、ダウンタイム、受けられない場合、国内での扱いまでを、製造元の公表資料と掲載データをもとに整理します。
トライフィルプロは、韓国のMCURE社が製造している注入用の機器です。炭酸ガス(CO2)と薬剤を続けて皮膚に入れる仕組みで、本体そのものに肌を変える成分が入っているわけではありません。
そのため、施術を比べるときは「機器が決めること」と「薬剤が決めること」を分けて見ると、料金差の理由がそのまま読み取れます。
| 決まる項目 | 機器(トライフィルプロ)が担う | 入れる薬剤が担う |
|---|---|---|
| 施術の中身 | 硬くなった組織をはがす、薬剤を届ける深さと広がり | 何を目的に入れるか |
| 量の単位 | ショット数 | cc(薬剤量) |
| 料金への効き方 | ショット数が増えると上がる | 薬剤の種類で上下する |
キレイパスに掲載されているトライフィルプロのメニューは、すべてに薬剤名が書かれていました。つまり、トライフィルプロという名前だけでは施術の中身も料金も決まらない、という構造になっています。
メニューに書かれていた薬剤は次の3つです。いずれも肌に注入して使うもので、成分の系統が異なります。
| 薬剤 | 主な成分 | 掲載メニューでの現れ方 |
|---|---|---|
| ジュベルック | ポリ乳酸とヒアルロン酸 | 単独指定と選択肢の両方に出てくる |
| スネコス パフォルマ | アミノ酸とヒアルロン酸を組み合わせたものとされる | ジュベルックと並ぶ選択肢に多い |
| リジュランi | サケ由来の成分(ポリヌクレオチド) | 単独指定のメニューに出てくる |
なお「3種から選択」「4種から選択」と表示されているメニューでは、ジュベルック以外の薬剤名がメニュー名に出てきません。選択肢の内訳はクリニックに確認してください。
薬剤の指定方法にも2通りあります。掲載メニューのうち58.3%は薬剤が1つに固定されていて、残りの41.7%は「ジュベルック or スネコス」「4種類から選択」のように当日選ぶ形でした。予約する前に、自分が申し込むメニューがどちらの型なのかを確かめておくと、カウンセリングでの相談がしやすくなります。
ここに挙げた3つの薬剤は、いずれも国内で承認された医薬品ではありません。詳しくは後半の「国内での扱い」で説明します。
製造元であるMCURE社の韓国語版サイトは、この機器を「3段階順次注入器」と表記しています。名前のとおり、1回の施術で3つの工程を順番に行う設計です。
査読を経た論文でも、同じ3段階の手順が報告されています。首の横じわを対象にした2026年の報告では、次の順序が記載されていました。
炭酸ガスが2回に分かれているのがこの機器の特徴で、1回目は「はがすため」、2回目は「広げるため」と役割が違います。ニキビ跡の凹みを対象にした別の報告では、炭酸ガスを1〜1.5cm間隔の複数点に入れ、深部の真皮または皮下の層に届ける方法が記載されていました。
なお、炭酸ガスを入れることで血流が増え、肌の土台をつくる細胞(線維芽細胞)のはたらきが高まる可能性がある、という説明が論文の考察部分に書かれています。ただし同じ論文が「この仮説はさらなる検証が必要」とも述べているため、確定した作用として読むものではありません。
MCURE社の公式サイトには、針のゲージ(太さ)を25Gから33Gの範囲で選べること、薬剤の粘度や粒子の大きさに応じて選択できることが記載されています。上で触れた2つの論文は、いずれも30Gの針を使ったと報告しています。
公式サイトはあわせて、決まった量を正しい層に均等に届けることで結節(しこり)の心配が減ると説明しています。これは製造元の説明であり、しこりが起きないことを示すものではありません。
ニキビ跡の凹凸に対しては、以前からサブシジョンという方法が行われてきました。皮膚の下の癒着を針で切り離す手技です。
皮膚科の情報サイトDermNetの解説では、サブシジョンに使う針として18ゲージまたは20ゲージのものが挙げられており、浅い瘢痕や小じわには25〜27ゲージが使われることもあると記載されています。トライフィルプロはこの「はがす」工程を炭酸ガスに置き換えた方法で、上で触れた論文はいずれも30ゲージの針で行っています。
クリニックの説明では、針だけで行う方法は内出血が広く出ることや、はがした部分が再びくっつくことが課題として挙げられてきました。トライフィルプロが薬剤の注入までを1回の施術に含めているのは、この再癒着への対応という位置づけです。
どちらが適しているかは、ニキビ跡の型(丸い凹み、角ばった凹み、細く深い凹み)と深さによって変わります。両方を扱っているクリニックもあるため、診察で見比べてもらうのが確実です。
キレイパスに掲載されているメニューの「こんな方におすすめ」欄で最も多く挙げられていたのは、ニキビ跡の凹凸・クレーター、毛穴の開き、肌のハリや弾力、小じわの4つでした。
凹みの底が皮膚の下で引っ張られている状態(丸く広い凹み)は、癒着をはがす工程がそのまま目的にあたります。掲載メニューの「こんな方におすすめ」欄でも、最も多く挙げられていた悩みです。
一方で、細く深い凹み(アイスピック型)は、はがす工程だけでは形が変わりにくいとされます。凹みの型によって向き不向きが分かれるため、写真ではなく実際に肌を見てもらう必要があります。初めて受ける方は、痛みや麻酔の有無もあわせて確認しておくと安心です。
顔全体に広く行き渡らせたい場合は、面で薬剤を届ける方法が選ばれます。掲載メニューでも「顔の気になる部位」「全顔」を単位にしたものが中心でした。
ただし、この悩みはジュベルックの手打ちや水光注射、ブレッシングのようなマイクロニードルRF機器を使う方法とも重なります。同じ薬剤を別の入れ方で扱っているメニューが並ぶため、料金だけで比べると条件を見落としやすい点に注意してください。
小じわが対象の場合は、入れる範囲を絞って少量ずつ入れる方法が候補になります。掲載メニューには両頬、両頬+こめかみ、目元など部位を指定したものがありました。敏感肌の方や赤みが出やすい方は、施術の可否と設定について医師に相談してください。
| 悩みの特徴 | 候補になる方法 | 選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 丸く広いニキビ跡の凹みが主 | トライフィルプロ、サブシジョン | 癒着をはがす工程が目的にあたる | 凹みの型で適応が変わる |
| 毛穴の開きやざらつきが気になる | トライフィルプロ、水光注射、機器を使った薬剤導入 | 悩みが顔の広い範囲に及ぶため | 入れる薬剤で費用が変わる |
| 小じわやハリの低下が気になる | トライフィルプロ、手打ちの注入 | 気になる部位が限られるため | 部位を指定したメニューを確認 |
最終的にどれが適しているかの判断は診察が必要です。上の表は候補を整理したもので、診断ではありません。
キレイパスでトライフィルプロのチケットを購入した方(全期間)の年代別構成比は次のとおりです。
20代以下が最も多く、30代と合わせて73.7%でした。
※キレイパス掲載チケットの購入データをもとに集計(自社データ)。本データは利用実態の参考情報であり、購入を推奨する趣旨のものではありません。
2026年8月31日時点で販売中のメニューを、内容と表示価格ごとに整理しました。表示価格(税込)の多くは約52,000円〜137,000円の範囲に収まります(下位10%〜上位10%の範囲)。上限側には16万円台のメニューもあります。
価格の幅は、次の2つの掛け合わせで生まれています。
同じクリニックで条件をそろえて比べると、薬剤による差額ははっきり出ます。以下はいずれも税込の表示価格です。
| ショット数と薬剤量 | ジュベルック/スネコスの場合 | リジュランiの場合 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 100ショット・2cc | 54,010円 | 65,010円 | 11,000円 |
| 200ショット・4cc | 92,730円 | 114,730円 | 22,000円 |
| 300ショット・6cc | 123,750円 | 162,250円 | 38,500円 |
ショット数が同じでも、薬剤が変わるだけで1万円台から3万円台まで価格が動きます。トライフィルプロの料金を比べるときは、ショット数と薬剤をセットで見る必要があります。
なお、ショット数を書かずに部位(両頬、両頬+こめかみなど)で表示しているメニューもあります。表示の単位がクリニックごとに違うため、同じ金額でも施術範囲が同じとは限りません。
料金に含まれるものも確認しておきたい点です。掲載メニューは麻酔代を含む表示が中心でしたが、初診料・再診料、施術後に処方される薬の代金などが別途かかる場合があります。チケットごとに条件が異なるため、購入前に内容を確認してください。
トライフィルプロのチケットは、ショット数・薬剤・別途費用の有無を並べて比較できます。決めきれない場合は、診察のなかで相談する進め方もあります。
次のような場合は、別の方法を含めて検討したほうがよいことがあります。
施術後は、赤み、腫れ、内出血が出ることがあります。程度と続く期間には個人差があり、入れた薬剤の種類、ショット数、施術した範囲によっても変わります。
論文で報告されている経過では、軽い赤みとむくみは数時間以内に自然に治まったと記載されています。ただしこれは少人数を対象にした報告で、すべての方に当てはまるものではありません。クリニックの説明では、数日から1週間程度をダウンタイムの目安として案内していることが多くみられます。
ニキビ跡を対象にした論文では、施術後48時間は冷やし、熱がこもること・マッサージ・日焼けを避けるという術後の指示が記載されていました。実際の過ごし方は受けたクリニックの指示に従ってください。
キレイパスに掲載されているメニューでは、赤み、腫れ、内出血、出血が副作用として挙げられています。針を刺す施術のため、感染や色素沈着が起きる可能性もあります。
注入する薬剤の側にも、しこり(結節)などの報告があります。発生頻度を一律に示すことは難しく、入れる薬剤・量・層によって条件が変わります。気になる変化が出た場合に診てもらえる体制があるかを、予約前に確認しておくと安心です。
掲載メニューの「受けられない方」の欄に記載されている内容を、性質ごとにまとめると次のようになります。
挙げられている項目はクリニックによって差があります。上のうち一部しか書かれていないメニューもあるため、持病やアレルギーがある方は、申し込むクリニックに直接確認してください。
論文の側でも、活動性のニキビや施術部位の感染、ケロイドや肥厚性瘢痕の既往、内服のレチノイドを最近使った方、血液が固まりにくい状態、妊娠中の方は対象から外されていました。
トライフィルプロは、日本国内で承認を受けた医療機器ではありません。また、この施術で使われるジュベルック、スネコス、リジュランiも、国内で承認された医薬品ではありません。医療広告に関する国の指針にもとづき、次の5点をお知らせします。
未承認であることと、自由診療であることは別の話です。国内で承認されている施術でも、美容目的であれば自由診療になります。
トライフィルプロを名指しで使った研究は、2026年に2本報告されています。
いずれも対照群を置いた比較試験ではなく、報告している研究グループも共通しています。効果の確からしさを判断する材料としては、まだ限られた段階にあります。
トライフィルプロは、機器と薬剤の組み合わせで施術の内容が決まります。次の点を確認しておくと、比較がしやすくなります。
キレイパスでは、購入前に料金・対象条件・別途費用の有無・口コミを確認できます。気になる項目をメモして持参すると、カウンセリングで確認しやすくなります。
効果には個人差があり、必ず効果を保証するものではありません。本記事で紹介した仕様・研究内容は、製造元および学術誌が公表している情報に基づくものであり、日本での承認を意味するものではありません。クリニックが使用する薬剤や設定によって内容は異なります。実際に受けられるかどうかは診察で判断されます。美容目的の施術は自由診療のため公的医療保険は適用されません。掲載データは2026年8月31日時点の集計であり、今後変動する可能性があります。
編集:キレイパス編集部
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